さすがの岸
一昨日の辛島と昨日の岸を比べてみたら...
- H5−6E
昨日のゲームもその前のゲームの千賀同様、黒星無しの高橋礼を攻略して見事勝利した。wエース不在のときにエースの役割を果たしていた辛島と、そのwエースの一人である岸が登板したカード第1、2戦だったからイーグルスの連勝はある意味想定内ということになるが、昨日の第2戦は予想していた以上の緊迫したゲームになった。
一昨日の辛島は「7回1失点」に作ったゲームをリリーフ陣に引き継いだのに対し、昨日の岸が引き継いだ(作った)ゲームは「6回3失点」という内容だった。
ちなみに一昨日の辛島と昨日の岸のピッチングを比較してみたらこうなった。じゃ〜ん...。
投球回 | 打者 | 球数 | 被安打 | 三振 | 四死球 | 失点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
辛島 | 7 | 27 | 88 | 3 | 3 | 3 | 1 |
岸 | 6 | 23 | 104 | 4 | 8 | 0 | 3 |
今回の数字だけを並べると、辛島の方が良いことが分かる。けど、だから辛島の方が岸よりも上、エースは辛島だ、…となるほど単純な話ではない。辛島は好調だったかもしれないが、岸は不調だったかもしれない。不調でも岸はあれくらいのピッチングをしたのだ、となるとたちまち岸の評価は辛島と並ぶか、もしくは超えてしまうのであるw。
昨日の岸のストレートはいつもの感じではなかった。ストレートが良くない分をカーブでカバーしながらゲームを作っていた感じがあった。なので、やっぱり「さすが岸」となるのである。
1回の銀次のエラーのあとのピッチングに「岸の凄み」を見た
岸は本調子ではなかったという前提で書いている。岸の「凄み」を見たなと思ったのが1回裏、2アウトからファーストの銀次が何でもない送球を捕球できずにランナーを出してしまった場面だ。銀次のエラーだ。
2アウトではあったが、このあとのバッターが4番デスパイネ。並のピッチャーだったらエラーに対する動揺から気持ちを整えるのに時間がかかるところへデスパイネでは、ビビってホームランを打たれるか、ストライクが入らなくなり4球で歩かせるかの2つに1つの展開だったが、岸はぜんぜん慌てること無く、チョチョイのチョイと大きなカーブで空振り三振に打ち取って見せたのだ。この芸当はなかなかできない、岸はやっぱり凄い。唸ってしまった。
岸のカーブが決まる決まる
テレビ解説者の2人が岸のカーブを褒めちぎっていた。特に3回裏の岸のピッチングがすごかった。甲斐、福田、今宮と3者三振に打ち取ったうちの甲斐と今宮の決め球がいずれもカーブだった。
こんな緩いカーブで三振の取れるピッチャーは日本球界では岸以外に見当たらない...とその2人の解説者が絶賛したイニングだった。
岸のときの先発マスクが堀内だったのには驚いた
さて、ゲームの最初に話を戻すと、昨日のゲーム、スタメンで目を引いた選手が2人いた。堀内謙伍とルーキーの渡辺佳明である。
渡辺は内野ではなく、ライトでの出場だったし、先発が岸のときのスタメンマスクは嶋と決まっているかのようだったが、堀内だった。ま、渡辺が出場機会を増やすために外野の練習をしていたのは知っていたので、それほど驚きはしなかったが、岸の先発で堀内がマスクをかぶったのには正直驚いた。
監督が岸にお願いしたのかもしれない。
「岸よ、堀内にキャッチャーの何たるかを教えてやってはもらえないか?」...みたいな。
堀内にしてみたら、自分がミットを構えたところにボールが来るのだから、リードしていて楽しかったに違いない。それでも、昨日の岸は逆球も多かった。いつもの岸だったら、それこそ構えたミットに定規で線を引いたようなストレートが投げ込まれていたはずだ。ただ、あれほど有効なカーブを受けたのは初めてだったと思う。
いよいよ岸との組み合わせが解禁になった堀内。あとは辛島のときの先発マスクを任されるようになったら嶋と並ぶなw。
高橋礼の立ち上がりを攻めた初回の4点先制と7回の2点追加
ブラッシュの2ラン
初回の先制点は大きかった。特にブラッシュの2ランが効いた。さすがの岸も4、5、6回と1点ずつ失点し、1点差まで詰め寄られた。勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りることができたのはブラッシュの2ランのおかげである。
島内の2点タイムリー
7回表の島内の2点タイムリーも大きかった。1点リードのままで終盤を戦っていたら追いつかれていただろう。というか逆転されていた。緊迫した展開の中で息を継ぐことのできた貴重な追加点になった。つなぎの島内は健在である。
ブセニッツの完璧なリリーフ→ 宋は2失点→残り1点を松井が死守
1点差まで詰め寄られたけど、7回表に3点差まで戻し、そこからは必勝リレー。ブセニッツは相変わらず淡々と自分のスピードボールを投げることだけに集中、ピシャリと1イニングを抑えた。
次の宋は今宮のホームランで狂いが生じた。続くグラシアル、デスパイネと連打され、たちまち2失点。1点差まで戻された。「また宋で失点か...」と宋を責めるファンがきっと出てくるに違いない。けど、やっぱり8回は宋だ。
一度リフレッシュさせてやる必要があるのはそのとおりだが、8回の基本ピースは宋が適任、他にいない。ハーマンでもない、森原でもない、ブセニッツは試してみたいが、まだ宋の方が信頼できる。あそこは「宋だから逆転されなかった」と考えたい。
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さいごに
岸が遅ればせながら今シーズンの初勝利をものにした。前回の復帰登板のときは岸を7回まで引っ張って同点、勝ち星はつかなかった。岸を6回で降板させていれば展開は変わったろうとブログに書いた。
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で、今回は6回で岸を降板させて初勝利となったわけだ。それはいいんだけど、やっぱり岸には最低でも7回、できれば8回くらいまで投げてもらいたい。今回のゲームを終えてみてそれを強く感じたのである。
「岸は凄い」と解説者が言えば言うほど、「それでも6回で降板ではなあ...」という気持ちがどうしても残ってしまう。そこがエースと呼ばれる投手に対する他の投手への思いとの違いだ。岸だからこそ求めたい、期待したいラインがあるのだ。
次こそはそれこそエースらしいピッチングで「岸はやっぱり凄い」と心の底から思いたい。