今江監督から先発投手陣に「立ち上がり改善令」が出た直後のゲーム。通訳が伝え忘れたわけではなかったと思うが、先発のポンセはいきなり2失点の立ち上がりだった。
来日してからのオリックス戦が通算7試合で0勝6敗、防御率6・56というポンセだが、相性の悪さを裏付けるような立ち上がりで嫌な雰囲気になりかけたところ...。この日はゲームが壊れなかった。
裏の攻撃、連続四球から0アウト1、2塁とすると、前の試合でようやく今季第1号の出た浅村のタイムリー2ベースでたちまち同点にした。これが大きかった。
その浅村は5番マスター阿部のサードゴロの間にホームを狙うもタッチアウト、これがリクエスで判定がくつがえり勝越しに成功した。ここらへんは運もかなりあったと思う。
この勢いにポンセの「オリに勝てない」ジンクスも吹っ飛んだようだ。
抜けていたらゲームの流れが変わっていただろうという当たりも随所にあったが、村林であったり、辰己であったり、浅村であったり、楽天の野手はファインプレーでことごとくこれをつぶし、ポンセを盛り立てた。
こうなるとムラっ気のあるポンセも乗っていくだけ。2回以降は強いボールが石原のリードで冴え渡り、終わってみれば7回98球6安打2失点にゲームをまとめた。これで来日以来のオリ戦初勝利である。
攻撃では浅村がポイントゲッターになってゲーム展開を変えられたのが大きかった。小深田も微妙にズレていたバッティングの照準が徐々に合ってきているようでこの日は4の3と大当たり。これは明るい材料である。