わしろぐ

ジジイのプロ野球観戦雑記です。身辺雑記もあるよ。/ in Sendai

「譲らない」スピリット全開の「サヨナラ勝ち」で開幕ゲームの敗戦は帳消しですね。

  • E6−5M
はじめに

宮城出身の岸と岩手出身のロウキの「みちのくダービー」は、「これぞ岸」というピッチングで“岸が勝利”投手の権利を持ってマウンドを降りました。岸が則本の開幕ゲームの敗戦を帳消しにしてくれたかに見えました...。が、新・セットアッパー候補の安楽がまさかの逆転3ランを献上して岸の白星を消してしまいました。
ま、そのおかげで、開幕第2戦で早々(はやばや)と「サヨナラゲーム」という最高のゲームを見せてもらえたことになります。これで開幕ゲームの敗戦は帳消しです。どうなるかと思った開幕カード、結果としては1勝1敗の五分ですが、勢いは2勝1敗に相当します、たぶん...w。

怪物(ロウキ)

ロウキの怪物ぶりは昨シーズンよりも間違いなくスケールアップしていますね。いきなり5者連続三振に討ち取られたときは、このまま9者連続三振もあり得るな...とか思ったくらいw。
とにかくボールが速すぎて、明らかなハイボールを空振りしてしまいます。皆ボールの下を振ってしまう、しかも、かすりもしない...そんなストレート。いやはや、まさに怪物がマウンドに立っているイメージでした。

打者2巡目からは球速は抑えつつ(それでも150キロ台後半ですけどね)低めにボールを集めだしました。フォークも増え始めた感じでした。各バッターが早打ち対応をし始めたところで見え始めた配球の変化でした。高卒ルーキーキャッチャーの松川も只者ではありません。

みちのくダービーは「譲らない」(岸)

一方の岸は緩急巧みにボールを操るピッチングでしたが、相手の怪物に引っ張られることなく、淡々と自分のペースで投げているあたりは岸らしいなあと思いました。
ロッテ3回表、先頭の平沢が四球で出塁。今シーズンの平沢の任務遂行能力は侮れない印象です...。そして高部、9番1番のコンビがまた嫌らしいね。2アウトから平沢が完全に盗んだ盗塁。で、3番中村がライト前にタイムリー、先制されました...と。ただ、ここから崩れないのが岸だから...。最少失点。
3回裏に味方が逆転したあとの4回表、普通にピシャリと抑えるところが岸のすごいところですね。それから5回表、先頭を出塁させてピンチで2番マーティンをショートフライ、3番中村を空振三振に討ち取ったときの岸を見て、やはり則本とは違うメンタリティーを感じました。

セットアッパーは「譲らない」(安楽)

岸からブセ、そのあとの3番手・安楽がちょっと苦しんでいましたね。ストライクを取れずに苦しいカウントにして勝負している感じ。下位打線にアップアップのピッチングでした。そして、よもやの逆転3ランをポッと出てきた代打に献上してしまいました。開幕ゲームで投げさせていなかったことが裏目に出てしまったように見えましたが、安楽、松井の流れは「勝ちパターン」と決めていた石井流の采配でしたね。どんなピッチャーでも、シーズン最初の登板は別物(緊張する)、投手出身の石井監督にそれが分からないはずがないと思いますが、それほど安楽と松井裕樹は別格の信頼だったということでしょう。もしくは則本と同じで「やってもらわないと困る」レベルのピッチャー。開幕カードには「魔物」が潜んでいる。そこの誤算でした。

3回裏の「譲らない」(西川、浅村)

3回裏に楽天攻撃陣が見せた「譲らない」。先頭の渡辺佳明が四球で出塁するとゴジラ安田がヒットで1、2塁。カズキのバントは3塁アウトになってしまいましたが、トップの西川がここで2点タイムリーの3塁打で逆転でした。
で、2番山崎が凡退で3番は「問題の浅村」*1。しかし、空振り三振。ここで勝負強い「今シーズンの浅村」を見せてほしかったところ、結果はそうなりませんでした。「昨シーズンの浅村」くさいぞ...と思った瞬間でもありました。
ところが6回裏、トップ西川が四球で出塁、すかさず盗塁で0アウト2塁のチャンスを作ると、2番山崎が倒れたあとで浅村がタイムリーを打ちました。これですよ、「今シーズンの浅村」(楽天の得点パターン)。はい3点目...と。

サードは「譲らない」(渡邉佳明)

茂木の代わりに「譲らない」ところを見せていたのが3塁を守った渡辺佳明ですね。茂木の代わりどころか取って代わろうかという活躍でした。代わりに出てくる選手が元の選手を脅かすような活躍をするというのは理想的です。これができるのもキャンプ、オープン戦と石井楽天が取り組んできた「譲らない」精神が生きているから、そう感じました。

8回裏の「譲らない」(島内)

トップバッターの西川がヒットで出塁、山崎も四球でこれに続きます。0アウト1、2塁。ここで「今シーズンの浅村」は惜しくも三振...、ところが4番島内がこれをフォローするタイムリーで1点差に迫る4点目...と。島内も「譲らない」ところを見せてくれました。

9回裏の「譲らない」(銀次)

9回裏の同点劇の口火を切ったのは代打・銀次でしたね。シーズン初打席の相手はロッテの守護神・益田でしたが、値千金のセンター前ヒットで出塁。ここで代走・小深田。続く炭谷の犠打とカズキの四球で1アウト1、3塁。で、トップの西川が同点の犠牲フライという展開でした。これで同点...と。

クローザーは「譲らない」(松井裕樹

ビハインドだった9回表のマウンドは西口でしたが、裏に同点に追いついて延長戦、10回表と11回表のマウンドに立ったのは楽天の守護神・松井裕樹でした。下位打線相手だった10回表は少しバタバタした感じがありましたが、上位打線に回った11回表はギアを入れ替えて、結果、どちらも無失点で抑えて見せました。

サヨナラは「譲らない」(カズキ)

そしていよいよ11回裏、2アウト2塁の場面、ランナーはヒットで出塁した小深田でした。バッターはカズキ。ここで打たないと「譲らない」ではなく、「譲っちゃう」立場に...。2−0のカウントからでした。カズキは見事、センターオーバーのサヨナラ2ベースを打ったのです。ずっと通してきた強く振ること、キャンプ中に変化の兆しが見えたこともありましたが、だんだん尻窄みになってシーズン突入、それでも強く振ることは変えませんでした。で、ようやく結果につながりました。ゲームも勝負あり。ベンチから飛び出した楽天ナインに手荒い祝福を受けているカズキを見て、私は泣けて泣けてしょうがありませんでしたw。

総括

先制点を許してガックリ、一度は逆転して大喜び、再逆転され落胆し、ほぼほぼ連敗覚悟で観戦していましたが、最後の最後にサヨナラ勝ちの「わしほー」でした。
いろいろありましたので、勝因を思いつくままあげておきます。*2

  • 岸が「俺は則本とは違うぞw」というところをしっかり見せててくれたこと
  • 渡辺佳明が「俺は茂木とは違うぞw」と茂木の抜けた穴を埋めたこと
  • ゴジラ「俺は高卒ルーキー(松川)とは違うぞ」と怪物から初安打したこと 
  • 新・リードオフマンの西川が「俺は日ハムの西川とは違うぞ」とすべての得点に絡む大活躍を見せたこと
  • そして、問題の「今シーズンの浅村」は「俺は昨シーズンの浅村とは違うぞ」と貴重な3点目ポイントゲッターになってくれたこと
  • 銀次が「俺は並の代打とは違うぞ」とばかりに相手・守護神から同点の口火を切るヒットで出塁したこと
  • これまたカズキが「俺は新人王を取った後の鳴かず飛ばずのカズキとは違うぞ」と逆転タイムリー打ったこと

で、最後に逆転サヨナラ劇をお膳立てした安楽ですが、

  • 「俺は昨シーズンの安楽とは違うぞ」というところを見せてしまいました....。今回の初登板が負けゲームにならなかった、その勝負運の強さに期待したいです。ソンとの「譲らないレース」にも注目したいと思います。

*1:昨日のブログ参照

*2:もらしている選手がいるかもしれません、気づいた人はコメントくださいw。