「監督業は批判いっぱい、称賛少しの仕事」と言った石井・新監督だが、早くも強烈な「批判」が入ってきた。ヤクルトOBで野球評論家の伊勢氏のコメントである。
伊勢氏のコメントの要点を書き出してみると...
結論
- 石井一久を昔から知っている人間からすれば、石井に監督は無理
- 石井は自分の力を過信している
- ノムさんも天国で笑っている
- 石井が監督ではせいぜい最下位争い
- まだ、三木が監督のままの方が良かった(三木を1年で見限るのはかわいそう)
理由
- 石井は周囲がちゃんと教えて分からせないと「自分はこれでいいんだ」とすぐに勘違いしてしまうところがある。
- 実績のある監督に師事して監督修行が必要なのに、いきなり監督ではうまくいくわけがない。
救い
- ヘッドコーチに真喜志を置いたこと
- 真喜志が影の監督としてチームを回していけば勝負になる。
参考(真喜志ヘッドコーチについて)
- 今のチームで一番野球を分かっている。
- おとなしいが選手からの信頼がある。
- 経験豊富で戦術も心得ている。
ここからは私の感想
ハッキリ言って石井さんをよく思っていない野球解説者が石井さんの悪口を言っているだけ、そんな印象。
「石井に監督は無理」とした理由として「すぐに勘違いしてしまう」点を上げ、石井が現役の頃に80球でブルペンをきりあげようとしたところで野村監督に300球の投げ込みを指示されコントロールがよくなったというエピソードをあげているが、いったいいつの頃の石井のイメージだと言いたい。ヤクルトに入団してコントロールもアバウトだったころの若手ピッチャー石井と野村監督とのエピソードで「一久はあかん」と言い切っちゃうところが逆に驚きだ。
たしかに「人間は簡単には変われない」。ただ、こと野球に関して言えば、野村さんから教わった野球理論、野球への取り組み姿勢、戦術などなど、これらに石井自身が各球団を渡り歩いて積んできた経験が加わって今がある。伊勢氏が欠点としてあげている「自分はこれでいいんだとすぐに勘違いしてしまう」点も、野球、特にピッチャーにとっては重要(有利)な資質だったようにも思うし、勝負師にはかなり必要な感覚に違いない。
というわけで、伊勢氏の「一久はあかん」コメントは逆に私の期待を膨らませた。
あともう一つ。伊勢氏のコメントの中の「真喜志ヘッドコーチ」に関する部分が良かった。恥ずかしながら、真喜志コーチをだいぶ誤解していたようだ。辛口評論家にここまで言わせる実力があったとは...。
その真喜志コーチを自分の側に持ってきた石井・新監督。この点をとっただけでも、石井さんの勝負師、監督としての才能が評価されるべきだと思うんだけど、伊勢氏は石井さんをそういう切り口では見ていない点で、「一久はあかん」コメントはやはり「好き嫌い」の範疇から出ていないのだなあ...と思ったりw。