わしろぐ

ジジイのプロ野球観戦雑記です。身辺雑記もあるよ。/ in Sendai

ホークスの和田毅の書いた本が面白かった。


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松坂世代の生き残り

楽天イーグルスにも渡辺直人久保裕也という松坂世代のレジェンドがいたけれど、今シーズンを最後に2人ともユニホームを脱いだ。残るは旗印の松坂大輔と上のニュースの和田毅の2人だけ。

それにしても松坂は頑張るね。というか、何故まだ現役かがよく分からない。松坂自身が今の状態で現役にこだわる感覚というか神経が分からないし、それを許している球団の意図もよく分からない...。

生き残りが年俸アップの複数年契約

異例の年俸アップは和田毅だ。
しかし、こっちは分かる。今シーズンの活躍を見ていると、あと2年位は戦力としてやってくれそうだし、野球への取り組み姿勢みたいなものは、チーム内の他のピッチャーたちへ好影響を与えてくれそうだ。
それにしても、同世代が次々と引退していく中で最強球団から億超え複数年のオファーがあるというのがすごい。

和田の強み

和田のピッチングの持ち味はやはりキレのあるストレート。球速表示はさほどでもないが、球速以上の「スピード(勢い)」を感じるボールで、バッターも打ちづらそう。緩急の使い分けや絶妙な配球と投球タイミングでバッターを翻弄する技術は身体的ピークを過ぎた投手たちにとっては最高のお手本だろうと思う。

そういえば、こんな話題があった。
和田のかつての同僚である斉藤和巳新垣渚You Tube「和田は遊びに誘いづらかった」と発言していることがweb上で話題になっていたのだ。

「ホークスの4本柱」と呼ばれた頃の斉藤、新垣、杉内、和田のうち、斉藤、新垣、杉内はよく一緒に食事や飲みに行ったそうだ。でも、和田は試合で好投することを最優先に日々を過ごしているところがあって誘いづらかったというのである。さもありなんというエピソードである。

和田の本

上のエピソードからもストイックなイメージのある和田だが、こういう人が私は意外と好きである。で、和田の書いた本をアマゾンで見つけてすぐに買った。

「ピッチング論」のようなものを期待していたわけではなくて、どちらかというと、ベテランの「仕事論」、「プロフェッショナル論」のようなものが読みたかったのだが、「だから僕は練習する」という本のタイトルはそんな臭いがぷんぷんしたw。

実はビジネス本

で、これがほぼ期待どおりの内容。野球本というよりは人間本、人生本として読んだ。

特に第1章に出てきた「『できる!』で放置せず、『できる理由』を分解しておく」という教えは印象的で、和田のキャラがよく出ているなあと...。

ざっくり言うと、仕事でもなんでもいいのですが、あることが「できる」となったときに

  • 何故できるのか、
  • できるためのポイントは何だ、
  • それを細かく分析(分解)しておく

...ことが大事。そういうこと。

和田は、ピッチングフォームを例にとって説明していたが、「できる」ときに分解したチェック項目を10個くらいもっていて、不調の際にはそれを一つ一つ確認していくのだそうだ。
安定したピッチングの秘訣であり、常にプロとしてのパフォーマンスを出し続けるための工夫である。

あと、上で紹介した「ホークスの4本柱」のエピソードだが、当時の和田の考え方を匂わせる記述もあった。

僕は20代のころ、いわゆる四六時中野球のことだけに集中するタイプで、生活のすべてを野球に捧げるのが正しいと信じて疑わなかった。

これなんかはまさに(遊びに)誘いづらい選手だった和田のイメージとかぶるw。

全体的にビジネスマンが読んでも参考になる内容が多かった。

で、出身大学も背番号も和田と同じスーパールーキーの早川くんにはぜひこの本を読んでほしいね。おすすめ。