キャッチャーの下妻が300万円アップの850万円で契約更改
したというニュース。
ほかにもいろいろな選手が契約更改を済ませているけれど、下妻の契約更改のニュースに目が止まったのは、活躍した割に意外とリーズナブルなところで落ち着いたな...、そう感じたから。
今シーズンの楽天で「キャッチャーは?」といえば、
- 太田光
- 足立祐一
- 石原彪
そして
- 下妻貴寛
の4人の顔が浮かぶのだが、下妻は育成からのスタートだったので、かなり頑張ったと思う。
2月に育成から支配下へ復帰し、8月30日に1軍に昇格した。
9月24日のホームでのロッテ戦ではプロ初本塁打もマークした。自己最多となる43試合に出場した今シーズンの成績は打率1割5分6厘、1本塁打、9打点。ま、こんなもんだろう。
下妻の評価をグーンと高めたのはやはり岸との相性の良さだったろう。岸が「下妻のリードのおかげ」と名指しでコメントしたことがあった。岸から感謝された捕手は嶋以外にいなかったと記憶している。それくらい岸からの絶大な信頼を勝ち取ったことになる。結果ももちろん良好で、岸の1完封を含む2完投でマスクをかぶった。
年俸850万円に加えて、岸からボーナス150万円くらいあってもいいなw。
下妻の課題として「バッティング」と「2塁送球」をあげるファンは多いと思う。
たしかにリードの高評価に比べるとこの2つはかなり見劣りする。ときどき「お前、打つ気でバッターボックスに立っているか?」と思わせるような気の抜けた空振りや見逃しを見せるときがある。しかもまったく悪びれた様子を見せずにベンチに帰ってくる。
ただ、足立や石原なんかと比べても、攻撃での「なんとかしてくれそう」感は下妻の方がだいぶ高い。個人的な印象ではあるが、リードの勘所が分かっている分、相手ピッチャーの配球を読んで打っているようなところがある。打率的には決して高いと言えないが、勝負どころでけっこう打っていた印象だ。
もうひとつの「2塁送球」だけど、もともと下妻は入団したときのセールスポイントに「強肩」があった。2018年に「戦力外から育成契約」となるキッカケとなった右肩関節唇の損傷の具合は心配だが、完治しているのであれば、あとは意識(恐怖感)の問題ということになる。
いずれにしても、2021シーズンは太田光との一騎打ちということになりそう。
ピッチャーとの相性の問題もある。例えば則本。石井監督が指摘した「則本のメンタル面の成長」を測る上でのひとつの物差しになるのが「(則本の)キャッチャーとの相性」問題である。則本が一段上へ成長できれば、自分のピッチングを通して若いキャッチャーを育成する場面も出てくると思われる。ただ、いきなりそのレベルに到達するのは難しい。つまり、則本の「俺は足立がいい」が簡単に治らないと予想すると、下妻がポイントに置くべきは「(すでにそのレベルにある)涌井からの信頼」をいかに勝ち取れるかという点になる。
ただね、その涌井の今シーズンはもともと太田光で好スタートを切っている。ということで、やはり下妻にとっての最大のライバルは太田ということだ。
3本柱を太田、足立、下妻で分け合う
...となると、ローテ6人のうちの残り3枠をいかに取り込むかがキー。日頃からの投手陣たちとのコミュニケーションも大きな課題になるね。ルーキーの早川の面倒はよく見たほうが良い。あと藤平のフォローも忘れずに。いつ化けるか分からないから...。
あと、太田光の契約更改がまだかと思っていたら、11月26日にすでに終わっていた。250万円アップの1700万円だった。下妻のちょうど倍である...。