今江敏晃打撃コーチが楽天の新監督になるというニュースは先週からあったが、なかなか正式発表がなかった。オーナーの現場介入など、楽天には何かと黒い噂があるから、今江さんも渋っているんだろうなあ...と心配していたが、ようやく昨日、球団からの正式発表があった。
40歳はいきなり若いなあと思ったら、平石監督のときは39歳での就任だったらしいから、ま、無茶苦茶に「若い」ということでもなさそうだ。
今江の誠実さというか人間性については、引退会見をみればよく分かる。
選手たちに人望があるというのは、今シーズンのベンチでの選手とのやりとりを見ていてよく分かった。ただ、人望があることと監督として有能であることとは必ずしもイコールではないだろう。今江監督はどんな選手起用をするのか、どんな采配・作戦を見せるのか、楽しみでもあり、心配でもある。
引き続き2軍監督をすることになった三木さんが平石の後任になったときは、「野村野球を知り尽くしている」とか「野球をよく知っている」とだれもが太鼓判を押すものだから大いに期待したものだが、いざ蓋を開けてみたら、予想していたのとだいぶ違っていた。野球というか勝負事の難しさを実感したシーズンだった。
で、今江監督。目指す監督はロッテ時代のボビー・バレンタインだそうだ。「チームはファミリー」という方針は、楽天のチームカラーにはよく合っていると思うが、問題はただの「仲良しファミリー」で終わるか、「戦うファミリー」になれるかである。
今江には優しさ、明るさの奥に芯の通った「強さ」を感じる。選手時代には勝負強い印象も強かった。案外、応援しがいのある野球を見せてくれるかもしれない。
あと、つくづく良かったなあと思うのはナオト(渡辺直人)がヘッドコーチになることだ。今江が野手出身なので、本当は投手出身のヘッドコーチというのが理想的ではあるのだが、選手とあまり年齢の変わらない今江監督にとっては、投手起用のアレコレ以上に選手とのパイプ役の方が大事になるはずで、その点、ナオトなら最適任の人材である。
今江の引退会見にはナオトも同席していた。この2人がどんなふうにチームを引っ張っていくのか、もう楽しみしかない人選になった。人選といえば、残りのコーチスタッフにも興味がある。DeNAを引退した藤田あたりが戻ってこないかと密かに期待している。