H1−3E
エース則本はいったいどうしたのだろう。ベンチ裏で転倒して利き手を切ったとかなんとか。プロとしてはとても恥ずかしい理由でローテを1回飛ばすという話は聞いていたが、どさくさに紛れて2つ飛ばすらしい。
瀧中くん
しかし、かえって良かった。代わりに登板したルーキーの瀧中が数億円プレーヤーの則本と松井裕樹に教えてやってほしいくらいのナイスピッチングだったから。どこが良かったか。役に立たない高給取りたちに見習ってほしいポイントにもなるが並べてみると
- 自分のテンポで投げている。
- 微妙に打者の打ち気をそらすような変化も加えている。
- 打者と対峙している大人のピッチャーのピッチングである。
- 味方が得点したあとも自分のペースを乱さない。つまり…
- あれこれ取り越し苦労せずに自分のピッチングに集中できる性格ということだ。(プロの投手なら当たり前にできることだと思っていたが、楽天のピッチャーを見てからはこれができるピッチャーは「凄い」のだと改めて知った。簡単に言うとピッチャー向きの性格だということだ。瀧中、非常にいいネ。
- ルーキーピッチャーということで、ホークスの甲斐が自分の打席でいろいろ心理戦を仕掛けていたが*1、瀧中はそれにも動ぜず飄々と投げていたのが印象的だった。
- カーブ、カットボール、チェンジアップを織り交ぜた下妻の配球も冴えていた。特に左打者へのカットボールが効いていた。
残念ながら味方の援護がないうちにせっかちなベンチがマウンドから降ろしてしまったので、勝ち投手にはなれなかったが、十分にお立ち台の資格ありの内容だったと思う。
さて、その投手交代のタイミングだが、6回裏、珍しく瀧中が先頭の周東をストレートの四球で出塁させたのが発端だった。周東に盗塁を決められ次のバッターにも送りバントを決められ1アウト3塁となって、バッター中村の場面だった。ベンチ得意の「苦しいときの酒居だのみ」である。
自分が四球で出したランナーだから自分で刈り取りなさい、という発想など今のベンチにはない。「5回投げれば先発OK」思想にどっぷり浸かっているベンチである。降ろされた方(瀧中)も失敗したまま降りたイメージだけが残るし、後を受けた方(酒居)も(リード)守れなかった後味の悪さだけが残る。プレーボール途中の申告敬遠も同様。結果同点でかろうじてリリーフ失敗とまでは言えない展開ではあったが、こんなことの繰り返しでベンチと投手陣の信頼関係なんて築けるのだろうか。というか、もう、無いかそんなもん…。
岩見くん
岩見が少しずつではあるが前進しているようでうれしい。簡単に空振り三振しなくなった。粘れるようになったのは大きな進歩だと思う。今回は四球も選んだし、ヒットもあった。結果だけが選手を成長させる。内田のようにリセットされずに確実に地力にしていってほしいと思う。
下妻くん
キャッチャーの下妻がまるで足立のコピーのようになっている。リードはいいのかもしれないが、バッティングがサッパリである。足立に進化の兆しが見えたかと思ったら体調不良で離脱、そっくり元の足立が帰ってきたかのようだ。特にバントのシーンでその印象を強くしたが、最後はストレートだったこともあり、なんとかバントを成功させた。前半に太田をあれだけ使っておいて、ここにきて出番をなくしているのが不思議である。昨シーズン多くの経験を積んだ堀内が出てこないのも不思議だ。怪我ならしょうがないけど。
岸くん
さて、今日は岸が先発。前回、ほとんど見る影もなかったピッチャーだが、落とさずに再度チャンスを与えたところからも岸に対する信頼の厚さが分かる。これに応えないようでは岸も則本や松井と同類ということになってしまう。たびたび金の話になってしまい恐縮だが、数億円プレーヤー3人が揃って「期待ハズレ」という状況だけは避けてほしい。たのんだぞ、岸。
*1:例えば、ボールが内側に来たときにジッと睨みつけるとか、モーションに入ろうかというタイミングで打席を外してタイムを取る..みたいな。