E0−2M
昨日の田中、9回2失点...。それでもやっぱり勝てなかった。
こんな感じだから田中に勝ちがつかないことを「気の毒だ」という人も多い。ただ、そんな単純な話でもないように思う。というか、私に言わせれば「気の毒」なのは田中ではなく、その責任が毎回攻撃陣にあるかのように言われる他の野手であり、期待を毎回裏切られる楽天ファンの方である。
まず、これだけ大事なゲームで初回にいきなり2失点の立ち上がりはないだろう。2回以降は味方の好守にも助けられ無失点で9回まで投げきったが、それができるなら、初回から踏ん張れよ、5回で降板してもいいくらいの必死さで踏ん張れよ...ってなもんである。
前回登板で石井監督が「田中は『勝つピッチング』をしてくれた。」みたいなコメントを出すものだから、昨日のゲーム前は「さぁ、今日こそ田中に勝ちをつけにいくぞ!」と連勝中のチームの意気込みは相当高かったはずである。それなのにいきなり「水をさす」立ち上がりにしてしまったのはだれだ。
田中に勝ちがつかない半分、いや、半分以上だな、やはり田中自身に問題があると思うぞ、俺は...。田中を年俸9億というNPB史上破格の厚遇で迎えたのは、こんな普通の先発ピッチャーが果たす役割を期待したからか?、いや、違う。
田中に求められているのは「9回2失点、先発の責任は果たしたから、あとは君たちの責任でしょ...。」というようなピッチングではないのである。
今シーズンの田中には歯がゆいくらいの間の悪さがある。「自分の役割を果たすだけ」というゲームに入っていくときの気持ちの有り様は立派なんだが、その役割を果たすピッチングがチームの攻撃の波と微妙に噛み合っていない。他の野手との本当の意味での信頼関係が出来ていないと言っていいかもしれない。
チームの攻撃にもっと勢いをつける、テンポのよいピッチングにしなければならないのに、逆に重苦しく、プレッシャーをかけるピッチングになっているせいだと思う。
野手の本音
- 最低でも先制点を許すのだけは回避してほしい
- 一発(ホームラン)だけは守備でフォローできない...
それなのに、田中が先発のときはたいがい先制され、しかも一発に泣いている。で、勝てなければ「援護なし....」となるのだ。やってられるか!とならないほうがおかしいw。
QSがどうのこうの。ゲームが終わったときに先発としてのスコアの帳尻が合っていればいいというものではない。何度も言うように、攻撃にもリズムとか勢いとかテンポ、そういうものが必要なのだ。で、それを与えるピッチングをしてこそ先発ピッチャーが役割をしっかり果たしたといえるのだ。
海を渡る前は、田中を他の野手がみんなで守り立てていた感じがあったし、田中も先輩野手のエラーを失点に結び付けないようにと必死にフォローしている感じがあった。
ところが今の田中と野手の関係には外見からは分かりづらい距離感を感じる。互いに守り立てるというのではなく、周りが田中の足を引っ張らないようにと気を遣っているような距離感だ。先入観かもしれませんがw。
「勝てないのは、田中!お前のせいだ。」とガツンと言ってやれる野手がいないから田中は田中で孤独だし、野手は野手で田中を勝たせることのできない不甲斐なさで卑屈になりますます縮こまってしまう。いわゆる悪循環というやつだなw。
田中なんてこんなもん。そろそろ野手も対等に向き合わないと、そして「田中を守り立ててやるか、しょうがない」くらいの気持ちでプレーしないとほんと田中が西口と同じ4勝で終わってしまいそうだw。
田中ワクチン
...とここまで書いて、田中ワクチンということについて考えたい。CSでの田中の使いみちのことである。以前にもここで書いたとおり、オリの山本が先発のときに楽天がぶつけるべき先発の最有力候補は田中だろう。相手が山本なら、負けてもともと、勝てたらラッキーというゲームになる。そこに勝てるピッチャーをわざわざぶつける戦略はない。田中なら「勝てない」ことにもう慣れっこになっている。ナインを含めファンにも免疫がだいぶできてきた。副作用の(先制の一発を食らう)心配はあるが、重症化の(大量点を食らう)可能性はかなり低い。反撃のチャンスも0ではないのだなw。
山本という最強のウィルスに立ち向かうために田中ワクチンを使わない手はないという話w。