「今年の漢字」は『熊』だった。今年のクマ被害はたしかに酷かった。紅葉のきれいな1年で最もいい季節を外出が制限される中で過ごさなければならなかった。そして通常なら冬眠しているはずの今の時期も、いくらか少なくなったとはいえクマの目撃情報は相変わらずある。
おいおい、クマは冬眠するもんだろ...と思っていたら、街なかには餌があるから冬眠しないクマも出てくる...と、さも当然のことのように解説する専門家たち。「聞いてないよぉ〜」と思う。
そもそもクマというのは山に餌がなくなるから「食べなくていいように」冬眠するのだそうだ。「冬でも街なかへ出れば餌がある」を知ってしまったクマたちは、冬眠する必要がなくなった。というか、冬眠してたらその餌が食べられなくなる、冬眠なんかしてる場合じゃない、そう考えるのかもしれない。
そういえば我が家にも人間の餌の味を知ってしまった犬がいる。わたしは注意していたが、母がせっせと餌付けしていたようだ。小犬ちゃんが食事をする母の足元を離れない。自分の皿には餌が盛られているのに離れない。母がときどきこぼす人間の食い物をスキあらばと狙っているのだ。
自分の餌を食べていたら母が落とす人間の食い物が食べられない、ドライフードなんか食べている場合じゃない、そう考えるのかもしれない。