クマの被害が止まらない。秋田県南部の東成瀬村で4人がクマに襲われた事件は、うち1人、一番若い人が亡くなった。上空から血痕の残る現場が映し出されたが、かなり衝撃的だった。
クマについての専門家の分析も進化している。例えば次のような分析を私は知らなかった。
ただでさえドングリやブナの実が不作のところへ、個体数が増えすぎている。結果、餌の取り合いに負けたクマが人里に降りてきて、味をしめてリピートする。
東成瀬村の事故は、畑で農作業中の人が襲われたものだったが、クマは畑の作物を自分の獲物だと認識している可能性がある。人間にとっては自分の畑の作物を収穫するつもりが、クマにとっては「俺の獲物を横取りするな」ということになっているらしい。人里もクマのテリトリーに入ってきている、そういうことだ。
法律が改正になって自治体の判断でクマの駆除ができるようになったという。しかし実行するための条件は自治体によってマチマチ、ハードルもけっこう高い。
そんな中、秋田県ではいくつかの自治体がクマの駆除を実施した。そのときの市民のコメントの中に、「小熊なのでかわいそうな気もするけど、駆除しないと、成獣になってまた人里に降りてくる。やむをえない...」というのがあったが、まったく同感だ。
一方で、施設に居座ったクマを捕獲できずに何日か警戒態勢で監視、ようやく捕まえたが、そのクマを山奥に放したというニュースもあった。秋田県の自治体ではなかったと思うが、せっかく捕まえたのになぜ放す?...と、正直、驚いた。ただ、その自治体で規則どおりやればそうなるのだろう。ここらへんが悩ましい。
前の秋田県知事が「あなたの住所を教えてくれ。クマを送るから。と、私にかかってきたらそう言います。」みたいなことを議場で発言しニュースになっていた記憶がある。駆除したと言うと多くの苦情電話が来るという話だったと思う。いろんな人がいるし、こういう電話が自治体の判断の足を引っ張っている。