わしろぐ

ジジイのプロ野球観戦雑記です。身辺雑記もあるよ。/ in Sendai

田中将大のかく乱のおかげで、おもしろい「満塁策」対決が見られた...ということにしておくw

E5☓−4F

田中将大のかく乱(限界?)

3点リードで迎えた6回表、先発の田中将大はこの時点で球数75球だった。ここまで1安打ピッチングの田中は、ここでアルカンタラの2ランを含む5安打を浴び、一挙3失点、たちまち同点にされた。

アルカンタラへの1球は防げた失投だったかとも思う。

しかし、2アウト1、3塁からの近藤との対決は、田中もギアをトップにあげてのガチンコ勝負で打たれたタイムリーだったから、あれは残念ながら「力負け」ということになるのだろう。ゲーム前に田中が警戒する打者にあげていた近藤である。田中も細心の注意を持って投じた1球だったはずで、近藤を褒めたいのはもちろんだが、田中の限界を見たようで少し悲しくなった。

田中は2アウト1、2塁にしたところで、宮森にスイッチした。その宮森は今川にタイムリーを打たれ逆転された、3−4。

シン・マー君を見たい

3点リードで5回無失点と勝利投手の権利もあった。日ハムの若い選手に上から見下ろす感じで投げていた田中だったが、一発のあとの連打で大量失点は今や田中アルアルになりつつある。中盤までいい感じに投げていて、この展開があるとなると、田中将大の完投はこれからも期待できない気がしてきた。

どういう風になるのが良いかはまだイメージできないが、このままの田中ではきついということは分かる。思い切ったイメチェンが必要だろう。

海を渡る前の田中と比べたら、すでにだいぶイメチェンしているという意見もある。が、私に言わせれば、田中はまだ、ストロングタイプを維持しようとしているように見える。

ここは辛島の右タイプくらいのイメチェンを目指すべきときかもしれない。田中のメンタルと器用さを持ってすれば、シン・マー君の道がまだ残されているように思うのだけど。

満塁策

それにしても劇的なサヨナラ勝ちだった。両チームともに一歩も譲らずの展開で延長線へ突入したときは、守護神カードも切っていたし、「持っている」イメージのあるBIGBOSSが相手では、絶対にイーグルスの方が分が悪い、そう思っていた。

ところが、蓋を開けてみたらどうだ。珍しく石井采配がいい方向に転んで行くではないか…。

楽天の満塁策

そのキッカケになったのは、10回表にマウンドへ送った鈴木ソラを、1アウト1、3塁で迎えた近藤を申告敬遠し、満塁策にしてから安楽へスイッチした判断だった。近藤の打席ではソラに1球投げさせたんだよなあ。アウトローのボールになったところでの交代コールだった。あの1球でソラには荷が重いと判断したのだろうか。それとも...。いずれにしても、あそこからピッチャー交代に動く、あれこそが石井監督のいう「瞬発力」だったろう。

で、こっちの満塁策にBIGBOSSが送った代打が松本剛だった。とうとうこの日のとっておきの(代打の)切り札を切ってきたのだ。*1

ところが、安楽は低めを丁寧に突き、5−2−3のダブルプレーでこれを切り抜けた。最高の展開にしたのだった。

日ハムの満塁策

そして、相手の満塁策は10回裏。2アウト2塁で3番浅村に打順が回ってきたときである。BIGBOSSは浅村を申告敬遠、もちろん続く「ここで島内」も申告敬遠にして満塁策をとった。5番の助っ人ギッテンスとの勝負を選択したわけだ。

で、ここで石井監督が切ったのが代打の切り札・銀次である。マウンドは堀からスイッチした玉井、玉井vs銀次の対戦となった。結果はご承知のとおり。銀次は一度もバットを振ることなく四球を選んだ。サヨナラ押し出しでゲームセット。

感想

銀次の貫禄勝ち、と言ってしまうのは簡単だが、それだけでは銀次に失礼である。あの打席には、銀次のこれまでの実績が醸し出すどこへ投げても打たれそうな迫力とオーラがあった...くらいのことは書いておきたいw。

10回の満塁策は、<安楽vs玉井>であり、<銀次vs松本>でもあった。どっちの勝利だったかはこの際どうでもいい感じ。勝ちに不思議の勝ちあり、石井マジックの兆しが見えたゲームということにしておきたい。

さぁ、今日は早川隆久が先発、伊藤大海を大いに意識して投げてほしいね。

*1:「たられば」を言えば、あそこは今川のままの方が何かが起きたかもしれない...。