藤平は「強いボール」を投げていた
- E8−3B
約1ヶ月ぶりのカード勝ち越しだったそうで、田中が連敗ストッパーになったカードの終わり方としては、3連勝は逃したものの、まずまずの結果だったと言っていいね、「わしほー」っと...。
昨日のゲームの一番の注目は、だれがなんと言おうと久々の先発登板となった藤平尚真。同世代・早川の離脱に伴って巡ってきた先発のチャンス、意地でも下手なピッチングは見せられない登板だった。
結果は4回81球2被安打4四球1失点。
上の数字からもお分かりのとおり、あくまでベンチ裁量の交替、4回表は三者凡退に締めてマウンドを降りた。ゲーム後、石井監督は、ファームでの先発登板が2ゲームだけというところを考慮しての交替だった説明した。
石井監督のコメントの感触だと、ほぼほぼ合格点、勝ち星はつかなかったけど、次の登板権利はガッチリ手にしたはずである。
確かに、藤平はいいボールを投げていた。オリックスの各バッターは完全に押し込まれていたからね。「ボールの強さ」という点だけで言えば、ローテピッチャーの早川よりも上なんじゃないかな。
さすがにあの世代の高校野球ビッグ3の一人であり、ドラ1だっただけのことはある。ポテンシャルは間違いなくチーム同世代の中でもトップに違いない。ここ数年、一軍マウンドのチャンスが回ってこなかったのが不思議なくらい。
しかし、課題が多いのもたしか。
制球力、安定力、総合力といったところではまだまだ。早川には遠く及ばない(いや、そこまで遠くはないか…)。一軍での登板機会が増えれば、その差もだんだん縮まっていくはずである。
ボールの強さもそうだが、打者に向かっていく気持ちが出ていたのがよかった。しかも、その気持ちをピンチで切らさずよく持ち堪えた。そこら辺は髙田萌生や高田孝一といったところと一味違う面を見せられたかな。そして、それがピンチのところでぎりぎり粘れていた、大崩れしなかった一番の要因だろう。
昨日のピッチングにひとつだけ注文をつけるとすれば、吉田正尚と一度は真っ向勝負してほしかったということ。2打席あったチャンスはどっちも四球だった。逃げたとは言わないが、せっかくの対戦チャンス、ちょっと勿体なかった気はする。
とはいえ、ほかのピッチャーも同じで、吉田が打席に立ったときは、まるでストライクゾーンにバリアが張られているかのようにボールが外れるんだなあ...、頭では分かっていても、身体が無意識に反応し(逃げ)てしまうのだろう。
そういうオーラを発散している吉田正尚というバッターが凄すぎるということかもしれない。