M1−4E
勝てるピッチャーと勝てないピッチャー
勝てるピッチャーと勝てないピッチャーの違いが出たゲームだったと思う。もちろん、このゲームの先発涌井は「勝てるピッチャー」、これで11勝目である。
勝てるピッチャーの一番の特徴は、味方が得点したあとに失点しないことだ。逆に言うと、「勝てない」ピッチャーは味方が得点したあとに失点するピッチャー。
勝てないピッチャー
味方が得点したすぐあとに失点するのが最悪で、じわりじわりと失点するのもよくない。前日の則本のパターンである。それでも7回2失点なので、則本にしてはよくやった方だと思う。相変わらず鼻息荒く自身のピッチングについて「攻める投球ができた」「追い越されなかったのは良かった」とかコメントしていたようだが、それは自分が7回で降板したからであって、ゲームは結局逆転負けしているのだから、2失点したことをもっと反省すべきだろうと思ったり。
涌井の場合
その点、涌井の場合は違う。初回こそ先頭打者の藤原にバランスを崩して投じたボールをホームランにされてしまったが、その1失点だけで、あとは無失点で7回を投げきった。
ここで大事なのは味方が4回に同点に追いついて、6回には勝ち越しという展開にしたのだが、そのあとに失点していないことである。味方に流れが来たら(味方が流れを持ってきたら)それを相手に渡さないピッチングができる。涌井が勝てるのはそれができるピッチャーだからである。
則本の場合
残念ながら今の則本はそれができない。たしかに7回2失点は数字だけ見ると悪くはないが、味方に来ていた流れを後半にかかり少しずつ相手に渡すピッチングになってしまった。渡しきらずに自分は降板したから「追い越されなかったのは良かった」みたいな「俺さま」コメントになるけど、流れが相手チームに行きかけた状態でバトンを渡されたリリーフ陣はたまったものじゃない。いつでもピシャリと火消しできるわけではないのだから...。
涌井は7回裏をピシャリと三者凡退で切って8回の松井裕樹にバトンした。これが「勝てるピッチャー」からのリレーというものだ*1。
もう一つの理由
楽天が昨日のゲームに勝てたのにはもう一つ理由がある。それはロッテが9回表に「勝てない」ピッチャーの典型である佐々木千隼を投入してきたことだ。これは楽天にとって非常にラッキーだった。あれは明らかに井口監督の油断だったと思う。
おわりに
さてこのカード、一応は「3連勝」を目論んで臨んだわけだが、初戦が則本だったので私は正直「3連勝は無理かな」というのがちょっとだけあった*2。
横道にそれるが、昨日のゲームのテレビ解説者だったかが、「楽天は則本で落としたのは痛かったですね。」みたいにさも楽天(ファン)は「則本で勝ちを確信していた。」前提のコメントをしていたけれど、そんなことはない。私を含めた楽天ファンの多くは「(則本なので)負けてもおかしくない」前提で応援していただろうと想像する。で、それが現実となり「あぁやっぱりな...」というファンが結構いただろうと思うのだがどうだろう。
ただ、昨日涌井で勝ってこれまた「あぁ、やっぱり涌井は違うよ...」となったところで、今日の岸でも勝ったりしたら「もしかしたら、まだ諦めるなってことか?」という気分になれるかもしれない。
たのんだぞ、岸。私に「岸さま」と呼ばせてくれよ...。ゲーム差4なら...