則本の人的補償は長身右腕だった。
巨人へ移籍した則本の人的補償で獲得することになったのが田中千晴投手。189センチの長身から投げ下ろす150キロ超のストレートとフォークが武器の右腕だ。1軍での登板はないらしいが、2軍では36登板、防御率1.51は悪くない。内星龍投手が190センチだから楽天のツインタワー完成である。楽天の投手というとこれまで小柄なイメージがあったけど、このごろは少しずつ大型化にシフトしている。
「巨人から楽天」の悪いイメージ
それはいいけど、気になるのはやはり巨人からの移籍という点だ。巨人から楽天にくる投手でこれまで「当たり」だった選手(投手)が思いつかない。逆に出ていった楽天の選手がむこうで活躍しているイメージの方が強い。
2020年トレードの明暗
たとえば強く印象に残っているのが2020年のトレードだ。そのとき楽天に移籍してきた投手が高田萌生と池田駿の2人。高田は高梨雄平と、池田はウィーラーとのトレードだった。高田は当時、イースタン・リーグで最多勝、最優秀防御率、最高勝率の三冠に輝く実績で「松坂大輔2世」と呼ばれる投手だったから大いに期待したものだが、一軍での登板機会はほとんどなく、2023年オフには早々と戦力外になった。
池田の印象もうすい。2020シーズンは6月の移籍だったが、21登板して1勝、防御率4.32だった。2021シーズンは2軍でけっこういい成績を出していたが、1軍での登板機会はとうとうなかった。そのため「必要とされていないなら」と自ら申し出ての退団だったようだ。その後は超難関試験である公認会計士の資格を取ったことがニュースになっていたから、自分のキャリア設計をしっかり考えていた選手だったようだ。*1
高田と高梨、池田とウィーラー、このトレードの比較については明らかに「巨人が成功、楽天が失敗」のトレードだった。
高梨はいまだに勝ちパターンの左のリリーバーとして君臨しているし、ウィーラーは巨人でも変わらず人気者となり、チームの精神的支柱としての存在感と楽天にいた頃を上回る勝負強さを見せていたと記憶している。現役引退後も球団の編成に関わるポストにつき、2026シーズンからは一軍バッティングコーチに就任する。
まとめ(田中千晴に期待すること)
田中千晴に関するプロフィールと野球の実績情報は高田萌生のときと似ている。それだけに、田中には「あまり期待しちゃいけねーよ」とどこかで自分に言い聞かせているところがある。今の心境を正直に書くと、田中千晴自身には高田萌生のようになってほしくないし、石井GM、三木監督には池田起用の反省を生かしてほしいというのがある。
則本には「早くもブルペン入り」とか「新・フォームに着手」などのニュース、巨人に行ってやけに張り切っているようだ。こういうニュースが出ると楽天ファンとしてはライバル心がメラメラと燃えてくるw。これはもう田中千晴にも負けずに春季キャンプに取り組んでほしいね。巨人ファンが悔しがるような活躍が見たい。ということはつまり、則本に負けない活躍を期待しているということだ(ちょっと荷が重いかw)。
今のところは「楽天の田中といえば『マー君』」ということになるが、いずれは「楽天の田中といえば『田中千晴』だ」と言われる日が来てほしい。
*1:池田については、当時の監督が今の石井GMだった。トレードで獲得した池田をなぜ起用しなかったのか。池田に化けるチャンスをなぜ与えなかったのか。池田の起用法については当時いろいろ言われていたように思う。当時は左の変則投手に渡辺佑樹がいたが、石井監督は池田よりも渡辺に賭けた、そういう方針(起用)だったのかもしれない。「それならなぜ獲得した?」ということになるんだが...。 池田にしてみたら、自分のベストの力を見せてもそれを生かせる場を与えられない可能性のあるのがプロ野球界、と思っても不思議ではなかった。池田は現役時代から公認会計士の受験勉強をしていたようで、プロ野球の世界には自分の「居場所がない」と次のキャリアへ舵を切ったことになる。現在は大手資格スクールの人気講師になっているそうで、この研究熱心さと臨機応変さがあれば、野球を続けていても案外化けていた可能性はあった。