島内が現役引退を決めた。楽天には島内と同世代の1990年生まれの選手が4人いた。鈴木大地、阿部寿樹、岡島豪郎、そして島内宏明。楽天カルテットと呼ばれた個性あふれる選手たちだ。なにを隠そう、1990年はわたしの息子が生まれた年でもある。みな我が息子の同級生というわけだw。
2025年オフはこの4人の進路が4つにわかれた。鈴木は残留、阿部は古巣のドラゴンズへ移籍、岡島は引退。島内だけが決まらなかったから、おそらく現役続行を求めて他球団からのオファーを待っていたのだと思う。けっきょくどこからのオファーもなく引退を決めた。そういうことだろう。現役にこだわり、海外の球団や独立リーグでのプレーを選択する選手もいるが、最近の島内はコンディショニングに苦しんでいた。そこまでのモチベーションは残っていなかったということかもしれない。
イーグルスへの功績は岡島にも決して負けていない。ただ、同じ引退でも、岡島の引退ゲーム、引退セレモニーと比べると、なんとも淋しいお別れになってしまった気がする。そこが残念でならない。
複数年契約中にFA志願して「島内の乱」などと呼ばれる球団とのゴタゴタがあった。このあとからだ、打撃不振に陥ったのは。球団との関係悪化が打撃に影響したとは思わないし、思いたくないが、打撃不振に陥った時期と運悪く重なってしまった。そのことが島内のそれまでのイメージを変えてしまったのも残念だった。
球団を通じて島内が残したコメント。
「プロ入りした当初は、とんでもない世界に来てしまったなと思いました。そのような自分が14年間も現役生活を続けてこられたのは、チームメイト、監督、コーチ、球団スタッフの皆さん、そしていつも温かく応援してくださったファンの皆さんのおかげです。苦しい時期もありましたが、楽天イーグルスでプレーできたことは自分の誇りです。本当にありがとうございました。」
「楽天イーグルスでプレーできたことは自分の誇りです。」に泣けた。コーチングスタッフとして球団との関係が続いたらうれしいのだが...。
で、あとでフッと思った。最初は岡島と同じように盛大な引退セレモニーの中でファンの感謝の気持ちを伝えられたら良かったのにと思っていたが、島内がファンの前でスピーチする姿がどうしても想像できない。シャイな島内にとって、こういうどさくさに紛れたような、静かな引退の仕方はあんがい彼自身も望んでいたことではなかったか。
ただ、そう思う一方で、岡島の引退セレモニーを見てしまったあとでは、どうしても島内の家族のことを考えてしまう。自分の子らに見せる父親の仕事場(球場)での最後の姿、ファンが父親に送る声援、やっぱり家族、特に子供にとっては特別な光景に違いない。島内にもさせてやりたかった。
あらためて「引き際」って大事だなあと思った。「島内の乱」で見せた勘違いとか、今回の引退劇とか、島内にはヒロインの時と似た「間の悪さ」みたいなところがどうもあるようだ。
島内よ、とにかく長い間お疲れさまでした、そしてありがとう。
