わしろぐ

60代ジジイのプロ野球観戦レビューと身辺雑記です。/ in Sendai

投げたいストレスをためて帰ってきた。(松井裕樹コメントより)

松井裕樹が最後のオープン戦に登板した。もう、投げたくて投げたくてうずうずしていたようだ。この記事

「投げたいストレスをためて帰ってきた。イーグルスのために毎日でも投げたいなと思います」


楽天イーグルスから唯一、侍ジャパンに選出されたのはいいが、WBC球にうまく対応できず、壮行試合ではずっと制球が安定しなかった。そのため、大会中に登板機会があったのは韓国戦の1回のみ。それも9点差のついた8回のマウンドだった。ゲームはほぼ決まったところでの登板だったから多少の失点は許される、イニング消化のための登板だったのはだれの目にも明らかだった。松井が仮に制球を乱して0アウト満塁にしたとしても、十分にリカバリーできる状況での登板、極端に言えばそういうこと。そういう場面でしかマウンドへ送り出してもらえない、今回の松井裕樹に対するベンチの信頼はその程度に見えた。

イーグルスでは、常に1点差を守るギリギリのところでマウンドへ送り出されていた松井裕樹にとって、史上最強の侍Jというメンバーの中とはいえ、これはかなりの屈辱であったろう。松井裕樹は「投げたいストレスをためて帰ってきた」とコメントしたが、言い方を変えれば「ベンチの信頼を背負って投げること(何か目標のために投げること)に飢えて帰ってきた...」ということだね。「イーグルスのために毎日でも投げたい」というコメントにそのことが滲み出ているな、と思った。



WBC球の扱いに苦労していたとき、ダルビッシュや大谷からいろいろなアドバイスを受けたようだ。アドバイスの具体的な内容は分からないし、聞いても理解できるとは思えないが、松井にとっては単なる「WBCボールへの対応」ということにとどまらなかったはずである。なぜなら、ボールやバットといった用具との相性、感覚は個人差があって当然、教えてどうこうなるようなものではないと思うから。ダルビッシュも大谷も松井のフォームを見て感じた違和感、制球できていないいびつな箇所をただ伝えたのだろう、もしくは、自分の経験談を話したということもあったろう。松井はダルや大谷の指摘するいびつさ、不自然さの原因がどこからくるのかを自分なりに考える。ダルや大谷の経験談をヒントに考える、そんなやりとりではなかったかと思う。

ピッチャーというのは実に繊細なポジションで、ちょっとした状況の変化、ゲーム展開の変化(たとえば味方のエラーひとつだったり、ファインプレーひとつだったりでガラリと変わる。)、マウンドの土の硬さ柔らかさの変化でもピッチングが大きく変わるときがある。ただ、自分ではそれらの影響でどこに変化が生じているのか分からないのだと思う。それを的確に指摘できるのは、やはり一流のプレイヤー(ダルとか大谷とか)ならではと思うのだ。

松井裕樹はダルや大谷からのアドバイスを藁にもすがるような思いで理解(ヒントに)しようとしたに違いない。そしてそこを短期間で修正するための方法、意識の持って行き方を考え抜いたはずだ。そして、それらのことは、きっとこれからのペナントレースに生きてくる。対応能力、修正能力のアップという形で。

石井監督は、オープン戦での松井裕樹のピッチングを見て「もう少し暴れ馬感が出てもいいかな。」とコメントしていたらしい。松井裕樹WBC球で苦労し、乱調だったことを反省するあまり、自分の良さを消さないようにという配慮だったのかもしれない。
前から言っている、本番はこれからだ、ストレス発散の機会はこれから十分にあるぞ、心配するな松井裕樹…w。