F3−6E
よかった、ほんとうによかった。3連敗にならなくて...。ゲーム後の率直な感想である。
前のカードから数えると、昨シーズン入団したルーキー瀧中で勝って、その次の岸、則本、涌井、田中と勝てなくて、最後に今シーズンのルーキー早川で勝った。ま、こういう勝ち方も未来があって「たまには」いいんじゃないだろうか。あくまで「たまには」というところを強調しておくけど。
まだ順位表を気にする時期には早いのだが、ペナントレースはすでに始まっているわけで。レース展開を絶えずチェックするのも大事なことである。…とかなんとか言いながら、要するに気になっているだけなのだが、どうやら1、2、3位がそろって勝利したようだ。さすがに上位にいるチームはずるずると遅れを取るようなレース運びはしない。イーグルスもトップ集団から遅れることなくこのまま走り続けたい。
ということで、昨日の先発は早川。
この人は投げるたびに「本当にこいつがルーキーか」と思わせてくれる。試合を重ねるごとに信頼が厚くなる一方である。誰の信頼か。もちろんバックを守る野手であり、応援する楽天ファンの信頼である。あ、あと石井監督を始めとするベンチスタッフもだろう。
今シーズンはマー君が8年ぶりの日本の野球にアジャストするために段階を踏みながらのピッチングを見せているわけだが、早川にも早くもこれに似たステップアップの姿勢が見て取れる。プロのマウンドに慣れようと毎回いろいろ試行錯誤しながらピッチングをしているのである。失点しても次のピッチングにその影響を感じないのだ。結果に一喜一憂することなくそれまでと変わらず淡々と投げているのが凄い。
昨日も危なかったのは4回裏の2失点のシーンだけ。(台湾での)4割打者の頭角を表し初めたワンとゾーンに入った近藤はさすがに手がつけられなかったが、次の万波は警戒感が薄かった印象だ。ま、ここらへんは太田の甘さもあるかな。万波はこのカードのラッキーボーイであった。
6回裏、早川に合っていたワンから始まる打順(ワン→近藤→万波)を考慮してか、ここで福山にスイッチした。
攻撃ではようやく浅村に一発が出た。なんと2号だ。キャッチャーの太田でさえ3本、9番の辰己は昨日も打って早くも7本というのに。ま、ややスロースターター気味ではあるが、ここから打ってくれればいい。ただ浅村の一発がチームに与えるインパクトの大きさはこれでハッキリした。浅村が打てば勝てる。
さいごに松井裕樹。代打中田、大田と並べられたが「松井劇場」を開演することもなく落ち着いて抑えてくれた。三者凡退。
今回は3点リードというのもあったが、私が思うに前のカードの石井監督コメントが相当効いていたのだろう*1。
「ちょっと体のブレがひどかったですね」
結果とかメンタル的なことには触れず、メカニック的な指摘にとどめていたところが石井監督らしい。あのコメントだけで松井には伝わるのだ。そして「伝わること」が石井監督には分かっていた。
あのときは1点差という緊迫した展開だったこと、通算150セーブがかかっていたこと、いろいろな思いやらプレッシャーやらがあったはずである。ただあえてそこには触れず「体のブレ」だけを指摘した。先発の則本には彼の「役目とそれができてなかったこと」をあえて指摘しているのにである。松井と則本では響く指摘が違うのである。
松井は石井監督のあの指摘があったことで、今回はそこ(ブレないようにすること)だけに集中できたのだと思う。
ピッチャー出身の監督ならではの配慮だったと思うのだが考えすぎだろうかw。
*1:5月5日のソフトバンク戦で最終回に同点にされたとき。