わしろぐ

ちな鷲ジジイの身辺雑記など / in 秋田

投げ終わってから力を入れる感覚(松井裕樹)

M3ー8E

主力がベンチに下がり、若手中心のオーダーになった7回、8回に4点ずつ得点した楽天が見事な逆転勝ち。昨日の逆パターンでしっかりリベンジした格好になり、見ている方は愉快でした。

黒川が相変わらず高校生ルーキーとは思えない勝負強さで良い仕事してくれました。キャンプのときの能力の高さがまぐれでなかったことを見せつけました。すっごくいいと思いますw。

ま、一番はロッテに連敗しなかったこと。ロッテに負け癖だけはつけたくなかったし、苦手意識とかもね。

で、このゲームで最も注目していたのは、やはり先発・松井裕樹の出来でした。クローザーから先発に転向しようという今シーズン、オープン戦での成績が散々でしたから、この日は開幕延期から再開して最初で最大、最後のチャンスとも言えるマウンドだと思ってましたから。松井本人には相当プレッシャーのかかる登板だったはずです。

でもこの日の松井は安定してました。3イニング41球、4奪三振の無失点。上々の出来です。

松井の先発転向にとって最大のウィークポイントである制球難もこの日はストライク先行のピッチングで、影を潜めていました。楽にゲームが作れていた印象です。

変化球の制球が悪かった初回もストレートの切れで切り抜けました。その後のイニングはどの球種も安定し、スライダーとストレート、カーブがうまく噛み合って効果的でした。

何かコツのようなものを掴んだようです。ゲーム後のニュースをチェックしていたら「力むタイミングを遅らせました。感覚的にはボールを投げ終わってから、力をいれるぐらい(の感覚が)ちょうど良かった」というコメントを見つけました。実にデリケートなものです、ピッチャーの感覚というのは。

キャプテン茂木といい、テンコーセイ松井といい、もはやさすがというしかありませんな。たいしたものです。

ただ、私的には、松井の先発転向にまだ懐疑的です。彼にはやっぱりクローザーをやって欲しい。先発でナイスピッチングをすればするほど、この感じでクローザーをやってくれたらますます安泰なのになあ…という思いが強くなります。
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松井のクローザーにこだわるのには他にも理由があります。それは松井の後任のクローザーがまだ決まっていないことです。こればかりはその場面で投げてみないと適性が分かりません。果たして森原に務まるかどうか。そのときに慌ててもどうかと思うわけです。

さて、松井裕樹はこの登板をキッカケにして次の登板でも同様の安定感を見せられれば、開幕ローテはほぼ間違いないでしょう。

ロッテの各打者は松井のストレートを狙っているようでしたが、制球が安定したときの松井のストレートは狙って打てるボールではありません。切れが違います。

反対に自滅するときの松井はボール先行でゆるくストライクを取りに行ったところを狙われます。

「投げ終わってから力を入れる感覚」松井にしか分からない感覚だとは思いますが、松井がコロナ禍で掴んだ極意ですな。