高野連は夏の甲子園の中止を決めました。プロ野球が6月開幕を目指しているので、8月開催の「夏の甲子園」は、もう少し決定を遅らせるのかと思っていましたが、意外と早かったですね。この段階で決めたのは代表校を決めるための地区予選の開催や地区予選に間に合うように身体を作るための準備期間などの関係もあったのでしょうか。逆算したら今がリミットということかもしれません。
プロ野球の「6月開幕」を前提に、まったく無責任な思いつきだけで言っちゃうと、「春の代表校」で8月に甲子園でやるという選択肢は無かったのでしょうか。これなら地区予選は省略できますし、8月開催であれば身体の調整もできそうです。ま、これはこれで別の意味で残酷な決定(選択)ではありますが、一度は正式に選ばれていたわけですから、春、夏の両方中止よりはまだマシだったような気がしないでもない。
ただ、「高校総体」が中止を決めていますから、それとのバランスから考えると問題はあります。甲子園(高校野球)だけが特別ということの理由が立ちそうにない。
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また、それとの延長で、高校野球がダメでプロ野球ならいい、という理由はどう整理するのでしょう。
報道によると、高野連の中止を決めた理由は
- 全国で約3800校が参加し約250球場を使用する地方大会の感染リスクを抑えることは極めて厳しいこと
- ボランティアで募っている役員や審判委員が十分に確保できないこと
- 医療スタッフの球場在駐が難しいこと
- 休校処置による夏休み短縮の動きで、学業への支障がでること
- 大会開催には選手や関係者の移動、宿泊などが伴い感染リスクは避けられないこと
当事者が「高校生だから」という面の事情もあります。特に学業の問題などは(プロ野球とは違う)特別感がありますね。
だとしてもです。全国的に感染リスクを減らそう、事態を収束させようという動きの中で、高校生には諦めろ、プロ選手は(開幕を)諦めない...はちょっと「どうよ...」という感じは否めない。
見方によっては、プロ選手(大人)も諦める(我慢する)から、君たち高校生も我慢してくれ...、というのが順番なような気もするし。非常に難しいところですね。
プロ野球の選手会が高野連に寄付金を出すことを検討しているという報道がたしかありました。地方大会の開催を援助するのが目的のようです。これも「高校球児の気持ちがよく分かるから」というのもあると思うし、それ以上にプロ野球は開幕の道をまだ探っていることの「心苦しさ」というのもどこかにはあるんじゃないだろうか、と思ったり...。
ヤフーニュースのアンケートでは「高野連の中止の判断」を妥当とした人が8割近くいました。
最近「自粛警察」というのをよく耳にしますが、彼らが皆プロ野球ファンとは到底思えません。仮にプロ野球だけ開幕ということになったら球場に爆弾仕掛けたり、選手に危害を加えたりする過激な輩が出てきやしないか心配です。想像するとちょっとやばい気がします。
高野連の今回の決定、プロ野球の開幕にもかなり影響を与えそうな気がします。当たり前だけど。