わしろぐ

ジジイのプロ野球観戦雑記です。身辺雑記もあるよ。/ in Sendai

カード勝ち越しへの道は遠いなあ...



  • E0−7B

 むこう16安打、こっち3安打。打てなさ過ぎなのか、打たれ過ぎなのか、そのいずれもなのか。ま、20イニング無得点というのもあるから、「打てなさ過ぎ」というのが一番近いのかもしれない。

 先発・内の立ち上がりを見たときは「今日こそ行けそうだ」と思ったが、3回に先制されて緊張の糸がプツッと切れてしまったようなゲーム展開に。5回にも3失点され内はそのまま降板、実質ここでゲームは決まってしまったな。

 内の後は吉川(6、7回)、津留崎(8回)、清宮(9回)とつなぐも、それぞれが仲良く1失点ずつ。

 好調・西野を気持ち良くさせ、紅林、宗、森といった眠っていた主軸を目覚めさせるための調整相手になっただけ。楽天キラーの田嶋を攻略してカード初戦を取ったところまでは良かったが、新たなキラー候補を作ってそのあと連敗。しっかり倍返しされてしまった。
 つい先日まで最下位を争っていたオリックスはあれよあれよと5割復帰。チーム自体の地力差を感じずにはいられない。

 ノリが感染症特例で離脱したときはどうなるかと思ったが、その不在を感じさせないゲームが続いている。つまりセーブ場面すら作れていない。これをラッキーと見るのはあまりにもポジティブすぎるw。

 カード勝越しへの道は遠いなあ*1。今日からライオンとの最下位ダービー。さっそく本家キラーが立ちはだかる。

*1:カード勝越し無いの、12球団で楽天だけらしい...。

鈴木ソラは何とかならんのか。

  • E0−5B 

 初回無失点は4試合ぶり。「さすが岸!」...と言いたいところだが、それもどうかと思う。そんなの普通...とならないと。その岸と組むのは何故か太田。太田のときはとにかく球数がかさむ。2回で50球超えのペースはベテラン岸にはキツ過ぎないか。「石原は嫌だ」とでも岸が言っているのだろうか。最初のバッテリーで懲りたというならしょうがないが...。

 それでもそこはベテラン岸。先発としての最低限の仕事はするのだ。6回110球6安打3四球1失点、失点は頓宮の一発による。

 しかし、岸が粘り強く作ったゲームをそのあとの鈴木ソラと伊藤マオが簡単に壊してしまう。「壊しちゃいけない」オーラを勝手に感じて勝手に自滅した。



 こういう若いピッチャーの自滅を見ると、今2軍の投手コーチをしている久保裕也楽天で投げていたときのことを思い出す。彼は現役時代、ピンチでマウンドへ送られたときの心構えとして、「打たれたら使った監督、コーチが悪いんだ...」と思うことにしているとよく言っていた。

 2人にもこのマインドがほしい。

 競ったゲームでの鈴木ソラの危うさは毎度のこと。抑えても、打たれても、もう少しピリッとしたマウンドを見たいものだ。首をかしげる四球はもう見たくない。この先、「ソラが出て負けたらしょがない」と思える安定感、信頼感を持てる日は来るのだろうか。

 伊藤マオはまだよくわからないピッチャー。1点差ゲームで出てくる時の期待度はどうも鈴木ソラと同じカテゴリーに入れておかないといけないタイプのよう。
 逃げて押出し、押出し嫌ってタイムリー、たちまち4失点では話にならない。最初から向かっていって打たれた方がどれだけ次に生きるか。そこの割り切りの無さ(腹をくくれないところ)が経験不足ということかもしれない。

 2人とも投げるボール自体はいいのだ。制球難というより、気持ちを整えるスキルの問題だろう。

ファインプレー続出でポンセが立ち直った。

 今江監督から先発投手陣に「立ち上がり改善令」が出た直後のゲーム。通訳が伝え忘れたわけではなかったと思うが、先発のポンセはいきなり2失点の立ち上がりだった。

 来日してからのオリックス戦が通算7試合で0勝6敗、防御率6・56というポンセだが、相性の悪さを裏付けるような立ち上がりで嫌な雰囲気になりかけたところ...。この日はゲームが壊れなかった。

 裏の攻撃、連続四球から0アウト1、2塁とすると、前の試合でようやく今季第1号の出た浅村のタイムリー2ベースでたちまち同点にした。これが大きかった。

 その浅村は5番マスター阿部のサードゴロの間にホームを狙うもタッチアウト、これがリクエスで判定がくつがえり勝越しに成功した。ここらへんは運もかなりあったと思う。



 この勢いにポンセの「オリに勝てない」ジンクスも吹っ飛んだようだ。

 抜けていたらゲームの流れが変わっていただろうという当たりも随所にあったが、村林であったり、辰己であったり、浅村であったり、楽天の野手はファインプレーでことごとくこれをつぶし、ポンセを盛り立てた。

 こうなるとムラっ気のあるポンセも乗っていくだけ。2回以降は強いボールが石原のリードで冴え渡り、終わってみれば7回98球6安打2失点にゲームをまとめた。これで来日以来のオリ戦初勝利である。

 攻撃では浅村がポイントゲッターになってゲーム展開を変えられたのが大きかった。小深田も微妙にズレていたバッティングの照準が徐々に合ってきているようでこの日は4の3と大当たり。これは明るい材料である。

 感染症特例で離脱する選手が出ている中でもこういうゲームが出来る。今江イーグルスのやりくり上手なところだと期待したい。

イベントどおりのゲーム結果で、もう笑うしかない。

 ターリー、荘司に続き、則本まで「NPB感染症特例」の対象となり登録抹消となった。ただでさえ駒不足のところに持ってきて、感染症特例による離脱者が続出とは...。

 顔ぶれからして、感染源はおそらく一緒だろう。投手キャプテンとしては慌てたと思うが、当のキャプテンがなってしまったか...。

 荘司は通常の入れ替えになったようだが、いずれ「脇の甘さ」が問われることになりそう。まったく何やってんだか...。



  • E2−9M

 先発は藤井。不思議と負けないジンクスを持つピッチャーであったが、ゲームを作るどころか初回に自分で壊してしまっては、さすがに負けるだろう。

 この日は「東北イーグルス高校」というイベントの日、各選手の高校時代のユニホーム姿などが選手紹介のときに大型スクリーンに映し出される趣向などもあったが、なんのことはない、ゲーム結果まで高校野球vsプロ野球ではもう洒落にならない。

 ルーキーが前日に見せた立ち上がりと比べると、プロ4年めがあれではなあ...。ハッキリ言って藤井に次はない。...と言いたいところだが、荘司も抜けて、藤井も抜けてではさすがにキツイか。

 昨日は松井友が4イニング投げていたが、あのピッチャーが普通の先発登板でゲームを作れるとはちょっと思えない。この緊急事態に瀧中が呼ばれないのは気になるところだが、永井、青山両コーチのやりくりに託すしかない。

 初回にゲームが壊れ、〈消化ゲーム〉となってしまった途端に出た浅村の1号ホームラン。浅村らしい1号とこちらも笑うしかないのだが、これが浅村・目覚めの一発になってくれたら、後で笑って振り返れるゲームになるかも。



 追伸
 清宮虎多朗が9回のマウンドに。支配下になり最初の1軍公式試合、しかも満員のスタジアム、壊れたゲームだったとはいえ、緊張するなという方が無理。150キロ台のストレートは今や普通で、緩急も変化球もないとなると、さすがにプロのバッターには通用しない。

 それでもストライクゾーンに投げてさえいれば各打者6割の確率で打ち損じるわけだが、ストライクになるのが3割とあってはそれさえままならず。

 1イニング29球2安打3四球3失点は、ま、想定内。3者凡退デビューをするようなら、とっくに支配下になっているわけだから。とはいえ、もう少しやるだろうと思っていたが。厳しいねえ...。

向こうが助っ人外国人なら、こっちはベテランカルテットで応戦...。

  • E2−2M

 予告先発されていた荘司が発熱で急遽登板回避。代わりにルーキーの松田が先発登板した。オープン戦から結果を出し続け、今江監督に「嬉しい誤算」と言わせたドラ5のルーキーが、いよいよ先発デビューすることになった。中継ぎでの登板はあったから、開幕後はこれが2度目の登板になるが...。

 荘司が登板できなかったことはもちろん残念だが、こういうアクシデントがあったときに新しい戦力が出てくるチームがやはり強いチームということになる。楽天がこれでシュンとなって大敗するのか、新たな戦力が頼もしい戦い方を見せてくれるのか。注目しながらの観戦となった。

 松田は初めての先発登板に緊張したのだろう。足が地に着かないうちに先頭打者を四球で出すと、盗塁されてヒットで1、3塁にされると3番ソトの犠牲フライでたちまち先制点を許した。
 しかし、その後のフランコと山口は打ち取って最少失点で切り抜けると、2回以降は落ち着いた。4回60球3安打1失点で2番手・吉川へつないだ。その吉川は1軍初登板だったが2イニングを無失点でつないだ。

 荘司離脱による緊急登板は、松田と吉川の2人でどうにかこうにかゲームメイク。今回の2人の登板は、いずれチームにとって生きるときが来る。今回のリカバリーは成功である。

 石原の存在感がどんどん増している気がする。大きな当たりはないが、送りバントは確実に決める。盗塁はできないが、刺すのは得意である。昨日のゲームではセカンド送球で再三のピンチを救っていた。強肩もさることながら、あそこで投じる判断力、思いっきりの良さを買う。
 リードも悪くない。ローテピッチャー全員を一度は石原と組ませてみたい。太田とは違うそのピッチャーの良さが見えてくる気がする。



 攻撃では、相変わらず98年カルテット(島内、岡島、大地、阿部)の活躍が目立っている。向こうがソト、ポランコの助っ人外国人で来るなら、こっちは助っ人ベテランで応戦するだけ。岡島と阿部の勢いがやや落ちてきたところに、今度は大地が存在感を出し始め、これに島内も加わってきそうな勢いであるw。

 浅村はもう少しかかりそうだが、島内はもう大丈夫だろう。強い当たりが昨日のゲームあたりからヒットになっている。あれに角度がつけば、打点を一人で稼ぐ一本になってくるはず。

 心配なのは小深田が何気に低調なこと。しかし、これははずすわけにはいかない。ゲームに出しながらズレを調整させていくことになるだろう。

 もうひとり、茂木もちょっと苦しい。若い頃のチャンスで一発のイメージがぜんぜん見えてこない。こっちの「ズレ」も抱えるとなると、さすがに重量過載になるので、しばらくスタメンは厳しそう。
 ...というか、渡邊佳明との入れ替えもそろそろ検討段階に入ってきた。

 浅村だが、今はチームの足手まといにならないように必死にもがいているように見える。
 昨日のゲームも6打席中1安打。それもピッチャーが捕りそこねたヒット。あとは2つの四球を選んでいるので、なんだかんだと半分は出塁している計算である。浅村も必死なのだ。

 周りが浅村の不調を歯がゆく思っているのは、彼の役割がチャンスメーカーではなくポイントゲッターだからである。それが分かっている浅村自身が一番自分の打席を苦々しく思っているに違いない。
 昨日の最後の打席、ライトフライでアウトになってベンチに戻るとき、何か叫んでいたように見えた。あれを見たら「浅村を引っ込めろ!」の言葉を呑み込んでしまった...。

 昨日の引き分けで負け越しはなくなったが、ここまで来たら、初の勝ち越しを決めたい。佐々木朗希を攻略すべし。

浅村ブレーキの間隙を縫う攻撃

  • E5−2M

 開幕投手の早川にようやく勝ち星がついた。それにしてもよく打たれた。6回途中で8安打(内1ホームラン)3四球、毎回のようにイニングの先頭を出塁させるゲーム展開だったが、あれでよく1失点のゲームを作れたと思う。こういう泥臭いピッチングができるようになったところは早川の成長かもしれない。新たに取得した球種フォークボールが効いたか、要所で三振も取れた。安打数と同じ8奪三振に助けられた面はあったかも。

 あれは早川の2試合めだったか。キャッチャー太田のサインに首を振るシーンが多く、ゲーム後に太田の意図がうまく理解できなかったというようなコメントを出していたことがあった。いずれはイーグルスを背負っていくバッテリーという組み合わせなのかもしれないが、早川と石原の組み合わせのゲームも見てみたい。



 さて、攻撃は相変わらず浅村のところがブレーキ。3番に打順を上げたのはいいが、昨日も4打席中1四球、3三振。ものは考えようで、四球で出塁してくれれば御の字、ランナーのいるチャンスで打順が回れば、ゲッツーにならずに三振になってくれてありがとうみたいな存在になっている。

 そういう意味では、昨日の5回裏の攻撃は理想的だった。前のイニングでユキヤの一発で先制するも、次のイニング、ポランコの同点ホームランですぐに振り出しに戻され嫌な流れになったところ。
 先頭の村林がヒットで出塁すると、次の浅村がゲッツーでも三振でもなく四球で続く展開。そしてこの日4番に置いた島内がヒットで続くと、次のマスター阿部のショートゴロの間に追加点。ユキヤ倒れるも辰己のタイムリーで2点め...。

 このゲームで唯一〈浅村ブレーキ〉のかからなかった展開を見事に生かし、今のイーグルスの得点パターンである下位打線でポイントゲットの展開にした。



 その後、7回をリリーフした藤平が1点返されるも、同点、逆転の流れにはしなかった。ここらへんは藤平の成長だなあと思う。もちろん、無失点というのが理想ではあるんだが、それは時に勢いだったり運によるところも大きいので。失点してからそこで踏みとどまれる方が本当の意味の実力の出るところなので。

 そして8回裏。例によって下位打線によるチャンスメイク&ポイントゲット。太田の3ベースはオマケとしても、小深田のスクイズは地力であるw。ここでの2点追加はクローザー則本のホーム初セーブに向けて大きな援護射撃になったね。

 ノリもこれに応えて、...というか、これに応えないならクローザー失格なんだけどw。見事3人締めでゲームセット。

 今江イーグルスの初のカード勝ち越しに向けていいスタートが切れた。荘司で決めたい。ただ、相手は種市か...。ま、相手にとって不足なしということで。

内の好投虚しくサヨナラ負け...

  • B2−1E

 山本由伸の後継候補筆頭・山下舜平大と、山本由伸と同じ矢田修氏に師事しフォーム激似で注目の内星龍の先発。これだけでも見逃せないゲームのはずだったが、緊急の飲み会が入りスコアチェックのみ。

 先発の2人は2002年生まれ(21歳)の同世代でもあり、身長190センチの大型右腕という点でも一緒。これからの対決も楽しみな両者の今回の対決は、内:6回87球5安打1失点に対し、山下:5回107球7安打1失点、数字だけだと内だが、どっちにも勝敗はつかなかった。引き分けということにしておくか。



 ゲームの勝敗は9回の攻防で分かれた。

 表の攻撃は1番小郷から始まる好打順、マウンドはベテラン平野だった。小郷が四球で出塁すると2番村林がバントで送り、この日3番に入った浅村が珍しくマルチ安打で1アウト1アウト1、3塁のビッグチャンスを作る。そして4番に入った好調・阿部、5番岡島と並ぶところへつないだ楽天だったが、ベテラン平野の前に阿部が空振り三振、岡島がセカンドゴロで得点できず。ベテラン平野にやられた。

 そして裏の守り。相手は6番宗から始まり7番杉本、8番紅林と続く打順。下位打線ではあるが、実績からすれば十分主軸という並び。マウンドは前日にプロ初勝利となった西垣だった。
 先頭の宗を空振り三振にとったところまでは良かったが、一発を警戒したか杉本を四球で歩かすと曲者・紅林にタイムリー2ベースでサヨナラ負けだった。

 ベテラン平野の術中にハマったのと、紅林の勝負強さにやられた印象が強い。



 カード勝越しの無かったチーム同士の直接対決はオリックスが勝って初の勝越しを決めた。
 4番浅村の打順を初めていじったオーダーで臨んだ楽天。先制点がその浅村の2ベースからだったから、一応は起用が当たった格好だが、相手・助っ人の連夜の一発であっさり振り出しに戻され、最後はキーマンの復活のキッカケになりそうなサヨナラ打。1点という得点差以上に相手にとって内容の濃い敗戦になってしまった。

 強いてこっちの明るい材料を上げるとすれば、内の先発転向が成功しているという点だろうか。田中将大はコンディションが上がらず、先発復帰は白紙の状況らしい。それだけに内の先発転向が順調なのは心強い。

 楽天が補強の無かったことをいろいろ言われていたのに対し、既存の選手の成長で戦っていく楽しみがあるさと強がってはみたのものの、相手助っ人の連夜の一発を見せられるとね、さすがに心穏やかではいられない。悔しいやら淋しいやら。
 セディーニョってフランコと同じ2年目の助っ人のはずなんだけど、この差はいったいどこから来るのか。スカウティングの問題だけじゃなさそうだ。ウィラーを出したあたりからのような気がする。
 

災い転じて福となすも、さらに2転、最後は則本で逃げ切った。

  • B4−5E

 災い転じて福となす。1点追いかける5回表。相手はプロ初先発のルーキーに初勝利の権利のかかったイニングだった。実況アナウンサーが盛んに「親心」を連発していたように継投の選択肢もあったがここは続投。

 1アウト1、3塁でバッター小深田のスクイズは大地のスタートの遅れで失敗、たちまち2アウト1、2塁となり、続投成功かに見えた。
 ところが、次の村林がまさかのタイムリー3ベースで逆転。続く小郷もタイムリーヒットで追加点と畳み掛け、スクイズ失敗を帳消ししてなおおつりが来る展開に。

 あそこでスクイズが成功していたらルーキー高島は降板していただろうから、同点止まりだった可能性が高い。まさに災い転じて福となすの展開であった。



 8回に追いつかれた。

 それにしても相手4番に2本のホームランは、キャッチャー太田の責任大。2本めはボールの強いソンのストレート系をドンピシャの一発だった。先発岸はチェンジアップを打たれた。打たれたボールを使わない太田のリード傾向を読んでたホームラン...はNHK解説者・田中賢介のコメントだが、たぶんそのとおりだろう。セディーニョが考えたか、コーチのアドバイスかは別として。

 延長10回表に先頭の小郷がサード強襲の内安打で出塁、で、今度はうちの4番・浅村の番...とならないところが楽天らしい。2ランどころか、お決まりのゲッツーで、さすがにここらへんの期待だけは昨年から裏切らない。今江監督はいつまで我慢できるか...、いや、いつまで我慢するのか。

 しかし、このあとマスター、カズキと連打で続き2アウト1、3塁にすると、日曜日のサヨナラ男・大地がしぶとくピッチャー返しで追加点、これで勝越し。

 そして3番から始まる延長10回裏に、クローザー則本が満を持して登場。とうとう来たか、クローザーとしての本領が試される場面。
 好打者3番中川を空振り三振にとり、この日2本のホームラン・セディーニョは3本目行ったか...という大きなレフトフライで2アウトw。次の森はセカンドゴロに打ち取ったかと思いきやコブが悪送球、記録は内安打だったからそういう当たりだったのだろう。

 こうなると則本のメンタルが心配されたが、宗の2ベースで2,3塁にして好調・若月を迎えると、これをピッチャーゴロに打ち取り逃げ切った。宗の2ベースでポキっと折れなかった則本を褒めたい、やるじゃん...w。

 勝利投手は9回裏に投げた西垣だった。プロ初勝利。ほんと、胃が痛くなるゲームが続くよ。

島内どうした?

  • B5−4E

 ベテランカルテットの熾烈な競争の中、日曜日のサヨナラ打を打った鈴木大地に続き、この日はマスター阿部が2安打2打点の活躍でトップを独走中の岡島に並んだ。

 岡島は4打席ノーヒットも2四球を選びしぶとくアピールを続けている。この日はスタメンをハズレた大地だが、日曜日に見せた勝負強さはインパクト十分で、こうなると、「島内どうした?」となるところ。その島内は6回2アウト2塁のチャンスに代打のチャンスをもらうも凡退。まだ開幕4カードの初戦だが、早くも置いてけぼり感が半端ない。

 開幕を4番、5番で迎えた2つのエンジンがいまだに燻っているイーグルス号、浅村エンジンはようやくかかってきた感があるので、残る島内エンジンをどうするか。昨年の反省を踏まえて早々とドック入りさせるか、次のロッテ戦まで様子を見るか。今江采配に注目。



 マスターとオ・ゴーの活躍で最後は1点差まで詰め寄る接戦を演じたが、痛かったのはやはり4点ビハインドから2点差まで追い上げた4回裏の守りだった。2アウト1塁からの若月のライト前ヒットをオ・ゴーが何を慌てたのか、内野へ悪送球、その間にランナーが生還し、結果的にこれが決勝点となってしまった。オ・ゴーではなく、オ・マイゴッドである。

 痛い守り(失点)が4回裏なら、痛い攻撃(追加点ならず)が8回表の太田の打席。マスター阿部のタイムリー2ベースで1点差まで追い上げ、これに小郷が続いて2アウトながら1、3塁の場面で太田。先発マスクの石原に代わって途中出場だった。ここで代打という選択肢もあったが、今江監督はそのまま太田を打席へ送ったのだ。にもかかわらず見逃し三振って、お前なあ....。リードもそうだが、バッティングにも単調さの傾向が強く出てしまう。こういうところだと思うぞ…。

今江スタイル

 開幕カードで連敗すると助っ人外人をすぐに登録抹消、テンポが悪いと見るやスタメンマスクも入れ替え、最終戦でサヨナラ勝ちをおさめた今江イーグルス

 その後、2カードめを1勝1敗で通過する。

 3カードめは優勝候補筆頭のホークスだったが、ここでも連敗すると、クリーンナップの一角、島内をスタメンからはずし、代わりに入れた大地のサヨナラタイムリーでかろうじて3連敗を免れた。

 今江監督には情に脆いモチベーターのイメージを勝手に持っていたけれど、意外や意外、「我慢して使うなんてナンセンス」と言わんばかりの早さで入れ替えを敢行している。
 まったく躊躇がない(…ように見えるw)。まだ、3カード終わったばかりだが、これが今江スタイルなのだろうか。 「違うな…」と思ったらとりあえず代えてやってみる、それで結果が出なければまた代える、そんな感じだ。

 「選手間の競争」を理由の一つに上げているようだが、良く言えば「(下げた選手に)考える時間を与える」、身も蓋もない言い方をすれば「見せしめ」ということになるかな。

 例えばスタメンマスク。炭谷が移籍したあと、太田を中心に回すものだとばかり思っていたら、太田のリード、悪いテンポに改善がなかったと見るや、次のゲームですぐに石原に代えた。
 監督の求めていることを代わった石原がどんな風に実践するか、それを太田がベンチから見て何を感じるか、逆もまたしかり。

 島内、岡島、鈴木大地、阿部の89年カルテットも横一線だ。調子のいい順に使う方針だろう。島内と大地の実績も今シーズンはいったん白紙に戻し、シンプルに調子の良い順に使う。
 で、開幕カードこそスタメンだったが、島内、阿部も3カード目には早くもスタメン落ちを味わった。
 カルテットの中では、今のところ岡島が頭一つ抜けている。
 そして日曜日。ようやく初スタメンのチャンスを得た鈴木大地がさすがの勝負強さを見せる。
 カルテット間の競争も熾烈になってきた。ベテランへのこの扱いは若手にも刺激になっている気がする。

 そんな今江監督も手をつけないでいるのが、主砲・浅村のところ。これが単なる大御所への気遣いか、ここにも何か強かな狙いがあるのか。今江スタイルからすると、そろそろどこかいじってきてもいい頃と期待しているのだが...。

日曜日を「サヨナラ勝ち」の日にしようw

  • E3☓−2H

 楽天の先発はホークスとの相性の良さを買われ、内のローテと入れ替わりの藤井。なんとしても先制し、勝ちパターンに持っていきたいところだったが、先制したのはまたもやホークスだった。3回表、好調・ギータのタイムリー。0−2、うわぁ...、これは3連敗もあるな...と思った。

 しかし、昨シーズンから不思議と藤井が投げると負けない。藤井自身に勝ちはつかなくてもチームはなぜか勝つイメージがあった。その藤井が5回2失点とゲームを作ると、その後は藤平、酒居、ソン、則本と勝ちパターンのリレーでゲームをつないだ今江監督。このカード、勝てるゲームがあるとすれこの最終戦しかないと見ていたのだと思うw。

 すると、チームもこれに応えて4回と6回に1点ずつ返し同点にした。いずれも7番辰己の作ったチャンスからだった。これを8番太田と9番村林がタイムリーで還す。下位打線がチャンスメイクし、下位打線がポイントにする。上位打線で得点できないなら、下位打線で得点するだけよ...。これが今のイーグルスである。



 そして同点のまま迎えた9回裏、表の攻撃でリードできなかったホークスはオスナを温存、ルーキーの澤柳をマウンドへ送った。楽天の先頭は4番浅村から。

 いまだ眠ったままの主砲は、一貫してフルスイングの姿勢だけは崩していない。昨年のホームランキングというネームバリューもルーキーをビビらすには十分で、チャンスに滅法弱い楽天の主砲は無事、四球で出塁した。

 次は今チームで一番頼りになるベテラン岡島だったが、今江監督は手堅く送りバントを選択、得点圏へランナーを進めた。勝負を託したのは鈴木大地だった。

 岡島・島内、阿部と同世代、楽天が誇るベテランカルテットの一人だが、大地はこの日が今シーズンの初スタメン。しかもこの日ノーヒットで回ってきた打席。

 しかし打つんだなあ、さよならタイムリー。

 あそこで代打を出さなかったところに今江監督の大地(ベテラン)への信頼が見えるし、その信頼に見事応えてみせた鈴木大地はやはりたいしたものだと感心した。 若手の下位打線で追いつき、ベテランの勝負強さで勝越す(サヨナラ)。これが今の楽天の勝ち方である。


 ベテランカルテットの中の島内と阿部は今回出番がなかった。浅村の特別扱いにもそろそろメスを入れたい。まずは打順からか...。

モイネロ相手に1番・辰見で何をやりたかったのだろう...。

  • E4−5H

タレントの層の厚さが違うよ...

 カード第2戦の先発は荘司とモイネロ。6回までお互いにノーノーの投手戦だった。

ゲームは7回から動いた。

 両チーム通じての初ヒットはこのカード音無しだったホークス・近藤である。このランナー近藤を荘司はワイルドピッチでサードまで進めてしまった。1アウト3塁の場面で7番川村、この川村がレフトへの大きな犠牲フライ、先制点は7回、残念ながらホークスだった。

 モイネロといい、近藤といい、やっぱりタレントの層の厚さが違うよ。


とか思っていたら...。

 モイネロが降板した7回裏、そのタレント不在になったところを楽天は上手くつく。弱者には弱者の戦い方がある、野村監督の言葉を思い出していた。

 先頭の浅村、次の阿部が四球で出塁、0アウト1、2塁としたところで、阿部のところに代走・辰己を送り、伊藤ユキヤが送りバントを決めて、1アウト2、3塁で岡島。

 その岡島がライト前へタイムリ2ベース、2人還って逆転に成功する。逆転のホームインは辰己を代走に送ったことが成功したギリギリのセーフだった。今江采配が当たった。

 これで勝てば言う事無しという展開だったが、ゲームはこのあと3山くらいあった。

1山

 8回表にこれまた大物タレントのギータに2ランが飛び出した。2アウトランナー2塁の場面の初球だった。ピッチャーは荘司をリリーフしたターリー。こうなると何を言っても「たられば」なんだが、あえて言う。

 あそこは石原に慎重さが欠けていた。好調、ギータに対する入りにいきなりストライクゾーンのストレートはないだろう。

 スタメンマスクを太田から石原に代えた起用は良かったと思うし、石原もその起用に応えて荘司をうまくリードしていたが、ちょっと油断したな。

 間違いなく昨日のゲームはあの一発が勝負の分かれ目だった。2アウトでギータ、まさに山場であった。永井コーチがときどきヒョコヒョコとマウンドへ行くことがあるが、あぁいう場面でこそ、釘を刺しに行ってほしいね...。

 8回裏には2アウトランナー1塁という場面で、楽天の数少ないタレント浅村のところに打順が回るも、ヒットで1、2塁にするのがやっと。次の辰己は凡退し無得点に終わった。浅村も気になったが、その前の小郷がね、なんとかしてくれたら理想的。ちょっと消極的だった。あそこで見逃し三振はない。どうした小郷、...そんな打席だった。

2山

 こうなるとオスナの控えるホークスには俄然余裕のようなものが生まれる。9回表の攻撃にはそこの強み(余裕のようなもの)が出ていたな。

 川村の初ヒットが初打点になったり、代打に出てきた中村晃にもタイムリーが出たりと、〈オスナに金棒〉の2点追加という展開。

 セーブシチュエーションぎりぎりの3点差で9回裏のマウンドへオスナを送る展開になった。楽天にとっては〈申告敗戦〉したいくらいの展開だった。

3山

 ところが楽天は金棒持ったオスナ相手に反撃を開始する。

 先頭の伊藤ユキヤ、岡島と連打で0アウト1、2塁とし、代打の大地が倒れるも、代打・茂木がタイムリー2ベースで1点返し、1アウト2、3塁。このあと途中出場の島内が犠牲フライで1点差まで追い上げた。

 しかし反撃もここまで。小深田がレフトフライに倒れゲームセット。あともう一息、ま、良く言えば意地を見せた最終回だったが、負けは負けだから...。


さいごに

 ところどころ勿体ない失点があった。ホークスに比べてタレントの数が超少ない楽天としては、あの手の「勿体ない失点」を極力減らしていくしかない。勝てるゲームだった。くやしい。

 今江監督は選手たちに競争させながらペナントレースを戦っていく方針のようで、けっこう早い段階でメンバーを切り替えているように見える。

 スタメンマスクを太田から石原に代えたのはいい。辰己に代えてカズキ、島内をハズして伊藤ユキヤを入れたのも、ま、ギリギリありだろう。

 しかし、1番に辰見はいくらなんでもやりすぎだった。モイネロ相手に辰見に何ができるというのか。最初から茂木でよかった。あれはわけわからん。

ホークス打線は侍Jよりも上じゃないかw 

  • E1−6H

あっちの攻撃

 弱音は吐きたくないのだが、3番柳田、4番山川、5番近藤というホークス打線は、「ビビるな」と言う方もどこか気が引ける。そこに持ってきて、2番の今宮が大当り中というのだから、もう、マウンドのピッチャーが処刑台に立たされているように見えてしょうがなかった。

 どうにか息がつけそうなのは6番栗原、7番ウォーカー、8番甲斐、9番牧原のあたりだが、このメンツでも一発あり巧打アリの他所のチームでなら十分に主軸を張れる面々なのだ。いやはや...。

 それでも昨日の早川はよく投げた。初回に2失点、3回、4回、5回と1失点ずつ許したが、決して自滅からの失点ではなかった。しっかり勝負して打たれた結果である。
 
 早川の出来は決して悪くなかった。左バッターの内側にもしっかり投げ込めていた、変化球も制球されていた。相手がホークス打線でなければ7回は軽く投げていたと思う。それが5回で109球を要した。それだけホークス打線は凄まじかったということだ。

 今江監督はさすがに相手打線への弱みを見せるわけにはいかないので、ゲーム後は厳しいコメントに終始していたようだが、昨日のホークス打線は初回の周東に長打されたところで火が付いてしまった感じ。あぁなると今のホークスは手がつけられない。それでもゲームを壊すような失点にならなかったのは早川の成長に違いない。


こっちの攻撃

 当たっていたのはこの日レフトに入っていた岡島だけ。5回に打った3ベースと相手のワイルドピッチでなんとか1得点をあげた。

 あと、こっちの攻撃でチャンスらしいチャンスは8回裏、2アウト満塁4番浅村の場面だった。ど真ん中のストレートは152キロ、力負けのセンターフライに終わった。この日の浅村は4の0、うぅ〜ん、今の浅村ではホークスに行ったらスタメンは無理っぽいな。

こっちの収穫

 6回からリリーフした藤平(6回)、西垣(7回)、鈴木ソラ(8、9回)の3人がホークス打線相手に一歩も引かなかったこと。

 藤平は1失点してしまったが、内容的に悪くなかった。3番ギータと4番ドスコイ山川の連打からだったが、この2人はちょっとが手が付けられないから割り切って良し。

 さぁ、今日の先発はローテどおり荘司。右膝は大丈夫ということ。荘司も今度は十分に調整できただろう。今江監督は切り替えが早そう、注目は太田が先発マスクをかぶるかどうか。石原と組ませる可能性も出てきたので注目したい。

清宮虎多朗とようやく支配下契約

 楽天が清宮虎多朗とようやく支配下選手契約を結んだようだ。背番号が135から79に変更される。

 春季キャンプからオープン戦最終戦まで1軍に帯同し、オープン戦でも5試合に登板した。変化球の精度はまだ荒削りだが、150キロ台後半のストレートはそれだけで十分武器になっていた。
 オープン戦での1失点、1セーブ、防御率2・25という成績は開幕時すぐに支配下登録されるものと思っていたが、山田遥楓の方が先だったねw。

 2021年2月にトミー・ジョン手術を受けているが、身体検査に時間がかかったか。そこらへんの経緯はよく分からんけど、とにかく支配下登録されたことを喜びたい。



 いきなり勝ちゲームでのリリーバーとはいかないまでも、競ったゲームや逆転の可能性を残すビハインド展開でなら出番はありそう。鈴木ソラや西垣といったあたりに1枚加わる感じじゃないか。

 投げるボールと同様、ピンチの場面でもズドーンと打者へ向かっていくイメージがある。下手なドラフト上位選手たちよりもピンチの場面では頼りになりそうだw。チームの追い上げムードを作る狼煙役になれるピッチャーだと思う。


 よその球団に比べてほとんど補強らしい補強のなかった楽天。それを理由に最下位予想をする解説者も多かったが、自前の選手の成長や起用で勝っていく楽しみが出てきたと思えば、これはこれで面白い。

 ギャフンと言わせたいねw。

観戦日誌に書けなかった雑感あれこれ...。




 ブログに書ききれなかった感想がいくつかあるので、思いつく範囲で追記しておこう。ざっくりと...w。

浅村のバッティング

 浅村にようやく当たりが出た。いつもスロースターターなのは分かっているが、DHに座ったタイミングで当たりが出たのはただの偶然だろうか。慣れないサードへのコンバートで集中力が分散していた影響はなかったのか。素人考えだが、正直、そんなことを考えていた。
 浅村はずっと守備でリズムを作るタイプと言われてきたが、年齢的なことを考えるとコンバート先はサードではなくファーストだったかな。茂木のファーストも今のところ悪くないが、やっぱり茂木サード、浅村ファーストの方がしっくり来るのはわたしだけか...w。

あとは島内と茂木だ

 オープン戦では好調だった島内は、開幕の波には上手く乗れなかった。浅村がようやく当たりだし、残るは島内だ。不振というほど重症だとは思っていないので、そこまでの心配はしていないけど。
 あと茂木だね。茂木、小深田の1、2番コンビをどこまで引っ張るか。今江監督が茂木をキーマンと見ているようだから、もう少し続けるのかもしれない。

岸の正妻の座

 開幕カードの2戦目までは太田が先発マスクをかぶっていたが、それ以降は石原に代わった。炭谷が移籍し、ベテラン岸の正妻の座にだれが座るかと注目していたが、最初に名乗りを上げたのは石原だったね。
 このまま石原で決まるのか、それとも太田が意地を見せて名乗りをあげるか。岸の次の登板を楽しみに待ちたい。


マー君をどう使うか

 開幕から5試合終えて、先発ローテは早川、荘司、内と若手3本柱のあと、ポンセ、岸のベテラン組が続いた。ただ、通常は6人でローテを回すことになる。で、今日からのホークス戦、初戦は早川の予告先発が発表されているから、開幕カードのローテに戻るわけだが、報道によると内のところにはホークスと相性のいい藤井を持ってくるようだ。ということは、早川、荘司、藤井、ポンセ、内、岸というローテでしばらくは回すのだろう。

 先発候補で残っているのは、瀧中、辛島、田中といったところだが、早川、荘司、ポンセ、岸あたりを各カードの軸に起き、あとは調子や相性を見ながら入れ替えていく構想のようにも見える。

 ここでキーマンになるのはやはり田中将大だろう。

 田中をどこからローテ入りさせるか。ポンセ、岸、田中と並べられてようやく今江イーグルスの先発ローテは完成するように思える。田中は4月中旬に2軍での登板が予定されている。ここでの内容によっては、ゴールデンウィークのどこかという可能性も出てくるが、ここまで無理させずに来たわけなので、ここは慌てずじっくり。田中自身がGoサインを出すことになるのかな。

 田中と同い年の中日・大野が復活登板を果たした。あれが一番の理想形だが、大野とは脂の乗ってきた時期が違うから、同じようにとはいかないか。さてどうなることやら。
 浅村のサードコンバートや則本のクローザー転向などを仕掛けた今江監督である。田中将大の最も生きる使い方をきっと示してくれるに違いない。期待しているw。